【為替本日の注目点】高市首相誕生か?

 ドル円は東京市場で151円20銭前後まで買われたが、その後は上値が重く、NYでは米金利が低下したこともあり、終始150円台で推移。ユーロドルは小幅に下落。フランスの格下げがユーロの重荷に。株式市場では3指数が揃って大幅高。アップルの投資判断が引き上げられ同社株が株高をけん引。債券は買われ、長期金利は3.98%台まで低下。金は大幅に反発し、最高値を更新。原油は小幅安。 9月景気先行指標総合指数 → Delayed by Government Shutdown ドル/円 150.42~ 150.82 ユーロ/ドル 1.1639 ~ 1.1664 ユーロ/円 175.37 ~ 175.75 NYダウ +515.97 → 46,706.58 GOLD +146.10 → 4,359.40ドル WTI -0.02 → 57.52 米10年国債 -0.029 → 3.980%% 【本日の注目イベント】 韓 APEC財務相会合(韓国・仁川) 欧 ラガルド・ECB総裁講演 米 決算発表→ コカ・コーラ、3M、GM、フィリップ・モリス、GE、ネットフリックス 加 カナダ9月消費者物価指数  自民党と日本維新の会は20日、新たな連立政権の樹立で合意しました。本日行われる首相指名選挙で維新は自民の高市総裁に投票し、衆院会派「有志・改革の会」に所属してきた3名が高市氏に投票する見込みから、高市氏が女性初の首相に選出されることが確実です。高市氏と維新の吉村代表、藤田共同代表が昨日の夕方国会内で会談し、連立政権合意書に署名しました。  高市氏は共同記者会見で、「とにかく今、安定した政治が大事だ」と指摘。連立合意は「大変大きな一歩だ。これから日本を前に進めるために精いっぱい働く」と語り、吉村氏も「手を取り合って国難に立ち向かい、前へ進める政治をしていきたい」と述べました。維新は当面、閣僚を送らない「閣外協力」の形式で連立に参加する予定ですが、公明党の連立離脱で危ぶまれていた高市氏の政権基盤は一定程度安定するとみられます。連立政権合意では、最大の焦点だった国会議員定数削減に関しては、「1割を目標に衆院定数を削減するため、今年の臨時国会で「議員立法案を提出し、成立を目指す」としました。維新が廃止を求めていた企業・団体献金の扱いは協議体を設置して検討し、2027年9月までの高市氏の自民総裁任期中に結論を得るとしています。また、食料品にかかる消費税率を2年間ゼロとする案については「法制化を視野に検討を行う」とするにとどめ、実施期限は明記していないため、実現するかどうかは不透明です。自民党が参院選で掲げた一律給付は行わず、電気ガス代の補助をはじめとする物価高対策を行うとしています。  昨日の東京市場では、「高市トレード」が再び活発となり、日経平均株価は1600円余り上昇し、終値で初めて4万9000円台に乗せました。株価の大幅な上昇に合わせてドル円は一時151円20銭近辺まで買われましたが、その後高田日銀審議委員が講演で、「2%の物価安定目標は、既におおむね達成した局面」との見解を示したことで150円台半ばまで押し戻されました。昨日のNYでは、日本株大幅高の影響やアップルが上昇をけん引し、3指数が大きく上昇しています。通常ならドル円も買われる局面でしたが、米長期金利が再び4%を割り込んだことで、「相殺」された格好となり150円台半ばで戻って来ました。  米政府機関閉鎖が続く中、トランプ大統領の上級経済顧問であるハセット国家経済会議(NEC)委員長は、米政府機関の一部閉鎖が週内に終わらなければ「より強力な措置」を講じる可能性があることを示唆しました。ハセット氏は20日にCNBCで、民主党が医療保険制度を巡る要求を取り下げ、連邦政府の歳出パッケージを支持しない限り、「ホワイトハウスはより強力な措置を真剣に検討せざるを得ないだろう」と述べていました。政府閉鎖はこれで20日目に入り、米主要経済指標は発表されていません。ハセット氏は、週末に全米各地で「ノー・キングス(王様はいらない)」デモが行われたことを受け、穏健な民主党議員がつなぎ予算案に同意する可能性が高まったと予想。政府閉鎖が週内に終わる可能性を示唆しましたが、行き詰まりが実際に解消されるという根拠は示されていません。  イスラエルは、イスラム組織ハマスとの停戦を再開しました。先週末は、トランプ大統領が仲介した停戦合意に違反があったとして、双方が互いを非難し、激しい戦闘に発展していました。ブルームバーグによると、イスラエル軍は現地時間19日午後9時30分ごろ、「停戦の履行を再開した」と発表し、「いかなる違反にも断固として対応する」と警告しました。イスラエルは、兵士2人が死亡したガザ南部の奇襲攻撃についてハマスの犯行と断定。報復として、ハマス拠点を攻撃し、支援物資の搬入を一時停止しました。イスラエル軍は、武器貯蔵施設など複数の拠点を攻撃したほか、地下に掘られた数キロに及ぶトンネルを破壊したと明らかにしています。バンス副大統領は19日、「状況は複雑になるだろう」と述べた上で、「仮に今回の取り組みが、大統領と私が望むような持続可能な長期的平和を実現する最善のシナリオであったとしても、そこに至るまでには紆余曲折があるだろう。ハマスはイスラエルを攻撃するだろうし、もちろんイスラエルもそれに応戦せざるを得ない。我々はこれが持続的な平和の実現に向けた最良の機会だと考えているが、そうであっても、その道のりには山も谷もあるはずだ」と語っていました。パレスチナの公式通信社が、医療関係者の情報を基に伝えたところによると、イスラエル軍の19日の攻撃でガザ全域では44人が死亡した模様です。  高市首相の誕生を囃(はや)して、今日も株価は上昇しそうです。ただ、現時点では起爆剤となるような目新しい政策は見られず、誕生後は「材料出尽くし」の可能性もあります。新政権の閣僚人事も、結局は「総裁選を戦った戦友」の域を出ていません。憲政史上初の女性総理、どのように日本を良くするのか、お手並み拝見といったところです。  本日のドル円は149円50銭~151円30銭程度を予想します。 (編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円は東京市場で151円20銭前後まで買われた(イメージ写真提供:123RF)
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2025-10-21 10:30