【為替本日の注目点】米9月のCPI予想を下回る

ドル円は米9月のCPI発表後に152円25銭まで売られたが、直ぐに反発。株価が大幅高を演じたことでリスクオンが加速し153円台まで上昇。ユーロドルは小幅に上昇し、1.16台で推移。株式市場では、9月のCPIが思ったほど上昇しておらず、年内2回の利下げ観測も浮上したことで3指数が大幅高。3指数は揃って最高値を更新。債券は横ばい。長期金利は4.001%で変わらず。金と原油は反落。
9月消費者物価指数 → 0.3%
9月新築住宅販売件数 →Delayed by Government Shutdown
9月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) →52.2
9月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)→55.2
9月S&Pグローバル総合PMI(速報値) →54.8
10月ミシガン大学消費者マインド(確定値) →53.6
ドル/円 152.25 ~ 153.01
ユーロ/ドル 1.1610 ~ 1.1649
ユーロ/円 177.18 ~ 177.82
NYダウ +472.51 → 47,207.12
GOLD -7.80 → 4,137.80ドル
WTI -0.29 → 61.50ドル
米10年国債 ±0 → 4.001%
【本日の注目イベント】
日 トランプ大統領来日(29日まで)
独 独10月ifo景況感指数
米 9月耐久財受注
米政府機関の一部閉鎖で発表が遅れていた米9月の米消費者物価指数(CPI)は、市場予想を下回る結果でした。コアCPIは前月比「0.2%」上昇。市場予想は「0.3%」でした。前年同月比でも「3.0%」の上昇で、市場予想の「3.1%」を下回る結果でした。また、総合でも前月比「0.3%」(市場予想0.4%)、前年同月比では「3.0%」(市場予想3.1%)と、こちらも市場予想を下回っていました。この結果を受けドル円は売られ、一時152円25銭までドルが下落しましたが、その後は一時153円台まで反発しています。インフレが予想したほど進んでいなかったことで、「今週のFOMC会合だけではなく、12月会合でも利下げが行われる」との見方が広がり、株式市場では主要3指数が大きく買われ、いずれも最高値を更新しました。株価の大幅上昇がリスクオンにつながり、低金利の円が売られた格好でした。今後も日米株価が堅調に推移すると考えられるのであれば、ドル円のサポート材料になる可能性があることは意識しておく必要があるのかもしれません。
米国と中国は、2日間にわたる貿易交渉の結果、複数の対立点で歩み寄ったようです。「トランプ大統領と習近平主席による最終合意、および世界市場を揺るがしてきた貿易摩擦の緩和に向けた道筋が整った」と報じられています。中国側の交渉担当者によると、両国は輸出規制やフェンタニル問題、船舶入港料などを巡り、暫定的なコンセンサスに達したとのことです。ベッセント財務長官はCBSニュースのインタビューで、「トランプ氏による中国製品への100%関税の警告は事実上、撤回された」と発言。「中国は大豆の大規模な購入を行うほか、レアアースに関する包括的な規制の実施を延期する見通しだ」と述べていました。さらに、「米国側は対中輸出規制の方針を変更しない」と付け加えています。ベッセント氏は、「従って、100%関税の脅威は消えたとみていいだろう。中国が世界的な輸出規制を直ちに導入するという脅威も同様だ」と、指摘しました。また、米通商代表部(USTR)のグリア代表もFOXニュースの番組で、「中国によるレアアース規制を回避することが、今回の協議の主要な目的の一つで、その目標に向けて非常に順調に進展していると思う」と述べています。10月31日から11月1日まで韓国・慶州でAPEC首脳会議が行われますが、30日には米中首脳会議が実施される予定です。
一方で隣国カナダとの関係は相変わらず険悪な状況です。トランプ大統領は23日、カナダとの全ての貿易交渉を直ちに打ち切ると表明しました。カナダのオンタリオ州が、米国の関税に反対するテレビ広告キャンペーンを行ったことに反発したものです。トランプ氏は「関税は米国の国家安全保障と経済にとって極めて重要だ。彼らのひど過ぎる態度に基づき、カナダとの全ての貿易交渉はこれをもって打ち切る」とSNSに投稿しました。さらに25日には、カナダからの輸入品に対する関税をさらに10%引き上げるとSNSに投稿しています。これに対してカナダのカーニー首相は、オンタリオ州のキャンペーンを27日から一時停止するとし、「米国側の準備が整い次第、貿易協議を再開する用意がある」と述べていますが、これに対してもトランプ氏は「会うつもりはない」と一蹴していました。やや子供のけんかのようです。
本日のドル円は152円30銭~154円30銭程度を予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円は米9月のCPI発表後に152円25銭まで売られたが、直ぐに反発。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-10-27 10:15