【為替本日の注目点】ＮＹ金、一時４０００ドルを割り込む

　ドル円は昨日の東京で、日本株の上昇に引っ張られる格好で１５３円２６銭前後まで上昇。ＮＹでも金利が低下する中ドルが買われたが、１５３円２０銭どまり。ユーロドルは小動き。１．１６台前半から半ばで推移し、やや膠着。一方、対円では１７８円２３銭までユーロ高が進む。株式市場では米中貿易摩擦の緩和観測から、一段とリスク選好が強まり３指数が揃って続伸。連日で最高値を更新する。債券は買われ、長期金利は３．９８％台に低下。金は大幅に続落。一時は２週間ぶりに４０００ドル台を割り込む。原油は小幅に続落。 ９月耐久財受注　→　Ｄｅｌａｙｅｄ　ｂｙ　Ｇｏｖｅｒｎｍｅｎｔ　Ｓｈｕｔｄｏｗｎ ドル／円　１５２．５７　～　１５３．２０ ユーロ／ドル　１．１６３２　～　１．１６５２ ユーロ／円　１７７．６８　～　１７８．２３ ＮＹダウ　＋３３７．４７　→　４７，５４４．５９ ＧＯＬＤ　－１１８．１０　→　４，０１９．７０ドル ＷＴＩ　－０．１９　→　６１．３１ドル 米１０年国債　－０．０２１　→　３．９８０％％ 【本日の注目イベント】 独　１１月ＧＦＫ消費者信頼調査 米　８月Ｓ＆Ｐ　Ｃｏｔａｌｉｔｙ　ＣＳ２０－Ｃｉｔｙ　ＹＯＹ　ＮＳＡ 米　８月ＦＨＦＡ住宅価格指数 米　１０月リッチモンド連銀製造業景況指数 米　１０月コンファレンスボード消費者信頼感指数 　昨日の東京株式市場では株式が大きく買われ、日経平均株価は１２００円以上上昇。初めて５万円台に乗せました。米中貿易摩擦への警戒感が後退してリスク選好の動きが強まり、国内の政策期待も株高につながったようです。ドル円はリスクオンに歩調を合わせるかのように円売りが強まり、一時は１５３円２６銭前後まで上昇しました。その後１５２円８５銭近辺まで押し戻されたのは、１０月１０日に記録した直近高値である「１５３円２７銭」が抜け切れなかったことと無関係ではないと思われます。目先はこの水準が意識され、ここが抜け切れるかどうかも焦点になります。 　トランプ大統領が来日しました。本日午前、高市首相と首脳会談を行うことになっていますが、先ずは皇居に赴き天皇と会談しています。またベッセント財務長官もマレーシアから来日し、昨日は片山財務大臣と面会しました。ベッセント氏は、「（日経平均株価が）５万円を超えた日にここに来られて光栄だ」と話していました。さらにラトニック商務長官も来日し、こちらは、日米関税交渉で親密な関係を築いた赤沢経産相が浅草見物や歌舞伎座を案内していました。ラトニック氏は日経新聞とのインタビューで、５５００億ドル（約８０兆円）の日本からの投資について「国家事業への投資であり、日本の損失リスクはゼロになる」と述べ、さらに投資事業で発生したキャッシュフローを分配するため「日本側が元本・利益とも全額回収でき、日本の納税者には負担はかからない」と語っていました。翻って、本投資についてトランプ大統領は、日本から巨額の対米投資を引き出した際、「野球選手が受け取る契約ボーナスのようなものだ」と説明。「我々の資金であり、我々の好きなように投資できる」と強調していました。昨日のラトニック氏の説明とは大きく異なりますが、本件については今後日米で協議委員会をつくり、ラトニック氏を議長とする投資委員会を経て、最終的にはトランプ大統領が判断を下すことになります。果たしてラトニック氏の説明通りになるのか、まだ不透明です。 　中東に飛び、イスラエルとハマスの停戦仲介を行ったと思ったら今度は、日本を含むアジア諸国に飛ぶなど、積極的な外交を続けるトランプ氏ですが、氏が最も望んでいるのが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記に直接会って会談することではないかと言われています。それは、西側諸国の首脳で、トランプ氏以外に金氏と会談した指導者がいないことと関係があるようです。両首脳はすでに板門店とシンガポールで会談を行っており、トランプ氏は再度会談したいようです。そのことと直接関係があるのかどうかはわかりませんが、「北朝鮮が平壌と板門店を結ぶ高速道路の補修作業を進め、路面標示の再塗装や沿道の樹木整備を行っている」と、匿名の外交関係者を引用して毎日経済新聞が報じています。「金正恩氏が近くこの道路を使う可能性に備えている模様だ」ということのようです。 　日米首脳会談は今日の午前中に行われます。防衛・防衛関連費をＧＤＰの２％に引き上げる件について、２０２７年より前倒しにする趣旨の話や、米国からのＬＮＧの輸入拡大などが話し合われる模様です。両首脳はその後、大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」で米軍横須賀基地を視察することになっています。 　本日のドル円は１５１円８０銭～１５３円８０銭程度を予想します。 （編集担当：亜州リサーチ＝サーチナ）　（写真：１２３ＲＦ）