【為替本日の注目点】ドル円8ヵ月ぶりに154円台半ばへ

ドル円はおよそ8ヵ月ぶりに154円台に乗せ、154円45銭まで上昇。日銀が予想通り政策金利を据え置いたことで、目先のドルの高値であった153円28銭近辺を抜け円売りが加速。ユーロドルは続落し、1.1547を付ける。一方、ユーロ円は178円80銭近辺までユーロ高が進む。株式市場では3指数が揃って下落。前日のパウエル議長のタカ派的な発言もあり、ハイテク株が売られた。債券は続落。長期金利は4.09%台へと上昇。金と原油は続伸。
7-9月GDP(速報値) → Delayed by Government Shutdown
新規失業保険申請件数 → Delayed by Government Shutdown
ドル/円 154.04 ~ 154.45
ユーロ/ドル 1.1547 ~ 1.1599
ユーロ/円 178.14 ~ 178.80
NYダウ -109.88 → 47,522.12ドル
GOLD +15.20 → 4,015.90ドル
WTI +0.09 → 60.57ドル
米10年国債 +0.021 → 4.097%
【本日の注目イベント】
豪 豪第3四半期卸売物価指数
日 10月東京都区部消費者物価指数
日 9月失業率
日 9月鉱工業生産
韓 APEC首脳会議(韓国・慶州、11月1日まで)
中 10月中国製造業PMI
中 10月中国サービス業PMI
欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(速報値)
米 9月個人所得
米 9月個人支出
米 9月PCEデフレータ(前月比)
米 9月PCEデフレータ(前年比)
米 9月PCEコアデフレータ(前月比)
米 9月PCEコアデフレータ(前年比)
米 7-9月雇用コスト指数
米 10月シカゴ購買部協会景気指数
米 ローガン・ダラス連銀総裁講演
米 クリーブランド連銀総裁、アトランタ連銀総裁、討論会に参加
歌の文句ではないが、「わかっちゃいるけど、やめられない」・・・・・。
大方の予想通り、日銀が政策金利を据え置き、植田総裁が利上げに積極的ではないと受け止められ、ドル円は目先のドルの高値であった「153円28銭前後」を上抜けし154円台まで買われました。NYでは米金利が上昇したこともあり、154円45銭までドル高が進みました。昨日の昼過ぎ、「日銀、政策金利据え置きを決定」との一報が流れると、それだけでドル円は152円台前半から153円前後まで買われるといった状況でした。据え置きはほぼ予想されてはいたものの、それが事実となるとすかさずドルを買う。「わかっちゃいるけど」といった市場の反応でした。
日銀は昨日午前中に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度に据え置くことを7対2の賛成多数で決めました。前回に続き2人の審議委員が利上げを主張して政策維持に反対しています。今会合での利上げ予想はほとんどなく、市場予想通りの決定でした。前回の9月会合に続いて高田、田村両委員が反対し、0.75%に引き上げを提案。高田氏は2%の物価安定目標がおおむね達成されたとし、田村氏は物価上振れリスクが膨らんでいると主張しました。午後3時半からの会見で植田総裁は、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移していることを踏まえ、「物価目標が実現する確度が少しずつ高まってきている」と発言。6会合連続で政策金利を据え置いていることで、「実質金利の低下に伴う金融緩和度合いが強まっている可能性があり、日本経済への影響を改めて精査する」と語っていました。また利上げを見送ってきた理由に関しては、「米関税政策やその影響を巡る不確実性を非常に重視してきた」と説明し、「日本企業の収益に下押し圧力がかかる下でも、積極的な賃金設定行動が途切れないかどうかを、もう少し確認したい」との見解を示しました。
片山財務相は、日銀が金融政策の現状維持を決めたことを受け、「景気情勢を勘案した極めてリーズナブルな判断」との見解を、テレビ東京のインタビュー取材で答えていました。片山氏は「金融政策の手法は日銀に委ねられている」とし、植田総裁が適切に状況を見ながら判断している」と話し、足元で進んでいる円安については「マーケットは実需とは関係ないところで動く部分が大きい」と指摘。その上で、「ファンダメンタルズを成長路線に乗せ、国家の信用を落とさないことが重要だ」と語っていました。いまのところ、円安をけん制する発言は見られませんが、さらに円安が進み155円を超えてくるようであれば、警戒する必要があろうかと思います。
トランプ大統領と中国の習近平国家主席は30日、韓国で会談しました。トランプ氏は会談終了後、合成麻薬フェンタニルに対する中国の対応不備を理由に中国製品に課している20%の追加関税を10%に即時引き下げると発表するなど、米中の緊張緩和に役立つ「素晴らしい会談」だったと述べています。さらにトランプ氏は「中国がとてつもない量の米国産大豆を購入し、それは今すぐ開始される」と、会談の成果を挙げていました。ベッセント財務長官がFOXニュースで、「中国は米国産大豆を今年1200万トン、向こう3年間は少なくとも年2500万トンを購入することに合意した」と説明していました。また、トランプ氏は、中国が米国産エネルギーの購入を増やし、アラスカの石油・ガスに関連した「巨大な規模」の取引を行う可能性も示唆していました。
今朝8時半に「10月の東京都区部消費者物価指数」が発表されました。コアCPIは「2.8%」と、市場予想(2.6%)を上回る結果で、ドル円は153円台後半まで押し戻されています。「全国の物価指数」の先行指標と見られるため注目されます。
本日のドル円は153円~154円80銭程度を予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円はおよそ8ヵ月ぶりに154円台に乗せ、154円45銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-10-31 10:45