株式ファンドへの資金流入が活発で純資産総額17兆円を突破、トータルリターンで国内株ファンドのランクアップ目立つ=DC専用ファンド(2025年10月)

 DC専用ファンドの2025年10月の純資金流出入額(速報値)は約536億円の資金流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降59カ月連続、流入額の規模は前月の383億円から増加した。資金流入額のトップは「先進国株式」の約255億円だった。「国内株式」も約135億円の資金流入になった。一方、資金流出は「国内債券」の約27億円、「REIT」も約9億円の資金流出だった。  DC専用ファンド全体の純資産総額は約17兆1706億円と前月から約8718億円増加して前月に続いて史上最高を更新した。純資産総額の内訳は、株式ファンド59%、債券ファンド10%、バランスファンド30%という割合で、株式ファンドの比率が1%ポイント上がった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額トップは前月同様「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」  DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月と同様に「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。第2位以下は「One DC米国株式(S&P500)インデックスファンド」、「野村DC外国株式インデックスF・MSCI」、「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」、「One DC国内株式インデックスファンド」と続き、トップ10を国内外の株式インデックスファンドが占めた。前月は第2位にバランス型の「マイバランス30(確定拠出年金)」が入ったものの、世界的な株高を受けて再び株式インデックスファンドの人気が高まっている。  トップ10に入ったインデックスファンドのうち、国内株インデックスファンドは3銘柄(うちTOPIX連動型2本)だった。外国株インデックスファンドの中で、米国「S&P500」連動型は2銘柄だった。その他は、日本を除く先進国株インデックスである「MSCIコクサイ・インデックス」に連動するインデックスファンドだった。DC市場においては、伝統的に日本を除く先進国株インデックスに連動する外国株式インデックスファンドが主流になっているが、これは、国内の機関投資家は国内株ファンドを保有している前提のもとで作られた「外国株」に投資する手段として発展したもの。個人が企業型DCやiDeCo(個人型確定拠出年金)で「株式」や「世界の株式」を投資対象としたファンドを選ぶ際には、国内株を含む「全世界株式(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)」に連動するインデックスファンドの方が望ましいように感じられる。特に、昨今のように国内株が大きく上昇している折には国内株を除く「MSCIコクサイ・インデックス」の物足りなさが浮き上がる。 ■トータルリターン1位は「DCダイワ 中小型株ファンド」  個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月第2位だった「DCダイワ中小型株ファンド」(上昇率51.39%)が上がった。前月トップだった「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」(同48.29%)は第2位に後退した。第3位には前月第7位の「野村DC日本株式アクティブファンド」(同43.21%)が上がるなど、国内株ファンドのランクアップが目立った。 ◆iDeCo新規加入者数は3カ月連続で3万人超  国民年金基金連合会が11月4日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2025年9月の新規加入者数は3万1341人で前年同月比19.0%増、加入者総数は375万5780人になった。月間新規加入者数は3カ月連続で3万人を超え、iDeCo新規加入が復調してきている。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は9427事業所、対象従業員数は6万173人になった。  9月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は4158人(前月3953人)と前年同月比7.1%増、第2号加入者は2万5809人(前月2万6528人)と同22.7%増、第3号加入者は985人(前月877人)と同5.2%減になった。第2号加入者の中で、「企業年金なし」の新規加入者が1万7166人(前月1万7268人)。「企業年金あり」が4226人(前月4590人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は4417人(前月4670人)となった。
DC専用ファンドの2025年10月の純資金流出入額(速報値)は約536億円の資金流入超過になった。
economic,company
2025-11-12 13:45