【為替本日の注目点】12月会合での利下げ観測さらに高まる

 ドル円は156円台で堅調に推移。失業保険申請件数が予想を下回ったことでドル買いが優勢となり156円73銭まで上昇。ユーロドルは続伸し、1.16台を回復。株式市場では利下げ期待を背景に3指数が揃って続伸。弱気で知られるJPモルガンが株価の先行きに強気の予想を示したこともあり、S&P500は6連騰。債券も堅調に推移。長期金利は3.99%と、小幅に低下。金は続伸。原油も反発。 7-9月GDP(改定値) →Delayed by Government Shutdown 新規失業保険申請件数 → 21.6万件 9月耐久財受注 → 0.5% 11月シカゴ購買部協会景気指数 → 36.3 10月個人所得 →Delayed by Government Shutdown 10月個人支出 →Delayed by Government Shutdown 10月PCEデフレータ(前月比) →Delayed by Government Shutdown 10月PCEデフレータ(前年比) → Delayed by Government Shutdown 10月PCEコアデフレータ(前月比)→Delayed by Government Shutdown 10月PCEコアデフレータ(前年比)→Delayed by Government Shutdown ドル/円 156.30 ~ 156.73 ユーロ/ドル 1.1547 ~ 1.1601 ユーロ/円 180.80 ~ 181.46 NYダウ +314.67 → 47,427.12ドル GOLD +25.00 → 4,202.30ドル WTI +0.70 → 58.65ドル 米10年国債 -0.008 → 3.990% 【本日の注目イベント】 豪 豪7-9月期民間設備投資 独 独12月GFK消費者信頼調査 欧 ユーロ圏11月消費者信頼感(確定値) 欧 ユーロ圏11月景況感指数 欧 ECB議事要旨(10月開催分) 米 株式、債券市場休場(感謝祭の祝日) 加 カナダ7-9月期経常収支  12月のFOMC会合での利下げ観測が高まるなかでも、昨日の東京時間で見られたように、ドル円は155円台に入ると買われる展開が続いています。日銀による利上げ観測もやや高まっており、日米金利差が縮小するという見立てがありながらもドルが底堅い動きになっています。一つには、調整が続いていた日米の株式市場が再び上昇に転じ、強気の見方も出てきたことで、「リスク選好を基調とした円売り」が背景になっているとみられます。JPモルガンのストラテジストは、米国株に対する慎重な見方を撤回し、S&P500が2026年末までに現行水準から11%上昇し、「7500」に達すると顧客向けのリポートで指摘していました。  先週の米新規失業保険申請件数は前週比0.6万件減少し、「21.6万件」でした。市場予想の「22.5万件」を下回り、労働市場は思ったほど減速していない兆候を見せています。より変動の少ない4週移動平均では「22.4万件」と、こちらも減少しています。一方、米国で住宅購入を目的とした住宅ローン申請件数が先週、2023年初め以来の高水準に急増しています。依然として借り入れコストが高いにもかかわらず、需要が回復の兆しを見せていました。  全米抵当貸付銀行協会(MBA)が26日に発表したデータによると、21日までの1週間における住宅購入ローン申請指数は前週比7.6%上昇し、「181.6」となっています。金利を見ると、30年固定金利型住宅ローンの契約金利は「6.4%」に上昇し、1カ月ぶりの高水準となったようですが、住宅市場は堅調なようです。今後もインフレが続くとの見方も根強く、「生活防衛」の意味から「賃貸」よりも「購入」を選ぶ人も多いようです。ただ、MBAは祝日が絡む時期の前後には週間の統計が変動しやすい点にも注意が必要だとしています。  地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表されました。「米経済活動はここ数週間、ほとんど変化が見られなかった」と、指摘されていた一方、「全体的な個人消費は高所得層を除いてさらに減少した」ということでした。FRBは「全体として先行き見通しに大きな変化はなかった」とした上で、「今後数カ月の活動鈍化リスクが高まっているとの声が一部から上がる一方、製造業者の間では楽観的な見方も聞かれた」と述べていました。「ミネアポリス連銀からは、高所得の顧客は特に制約を感じていないが、『中所得から低所得層の顧客は支出を引き締めている』との回答があったと報告された」と、ブルームバーグは伝えていました。  政府は、経済対策に伴う2025年度補正予算案で、11兆円台後半の規模で新規国債を追加発行する方針であることが明らかになりました。税収の上振れは当初から2.9兆円ほどと見込まれますが、過半を国債で補う模様です。25年度当初予算と今回の補正予算を合わせた国債発行額は、24年度の42兆1390億円を下回り、財政規律の棄損を一定程度配慮しながらも「責任ある積極財政」を推進する模様です。高市首相は、経済対策の財源について「税収の上振れなどを活用してもなお足りない分は国債の発行により賄う」と説明してきましたが、財政懸念は払拭されておらず、債券市場での売り圧力は続く見込みです。  同案は、28日にも閣議決定される予定です。  上でも触れたように、次回FOMCでは利下げを行う可能性が急速に高まって来ました。筆者は従来から、「FRBは利下げを行い、日銀は利上げを見送る」と予想していましたが、前者はいいとしても、後者については修正の必要が高まって来ました。日銀の政策については、すでに多くの審議委員が「利上げのタイミングだ」とし、「最もハト派なのが植田総裁だ」という声も聞かれます。来週1日(月)には、名古屋で植田総裁の講演が予定されており、今年最後の会合を前に、どのような発言を行うのか、非常に注目されます。ひょっとしたらここで、利上げを匂わす可能性もあるのではないかと思っています。  本日のドル円は155円40銭~156円90銭程度を予想します。 (編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
ドル円は156円台で堅調に推移。失業保険申請件数が予想を下回ったことでドル買いが優勢となり(イメージ写真提供:123RF)
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2025-11-27 10:15