【為替本日の注目点】本日の植田日銀総裁の講演に注目

NYでは株式と債券市場が短縮取引だったこともあり、ドル円は156円台前半で小動き。ユーロドルは1.15台半ばから1.16で推移。株式市場は薄商いの中3指数が揃って続伸。債券は小幅に下落。長期金利は4.01%台へと上昇。金は5日続伸。原油は小幅に売られる。
ドル/円 155.98 ~ 156.38
ユーロ/ドル 1.1564 ~ 1.1607
ユーロ/円 180.33 ~ 181.27
NYダウ +289.30 → 47,716.42ドル
GOLD +52.60 → 4,254.90ドル
WTI -0.10 → 58.55ドル
米10年国債 +0.014 → 4.013%
【本日の注目イベント】
日 植田日銀総裁、名古屋金融経済懇談会で講演(10:05)
日 植田日銀総裁記者会見(14:00)
中 11月RatingDog製造業PMI
独 11月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
英 11月製造業PMI(改定値)
英 11月消費者信用残高
米 11月ISM製造業景況指数
米 11月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
先週末のNYは、「ブラックフライデー」ということもあり、債券と株式市場は「短縮取引」となり、その影響で為替市場では目立った動きは観られませんでした。その「ブラックフライデー」、売り上げは、前年に比べて加速したことが主要なデータ提供会社の集計で明らかになりました。根強い景気懸念にもかかわらず、個人消費が堅調を維持していることが示唆されました。マスターカード・スペンディングパルスによると、自動車を除く小売売上高は「4.1%増加」、昨年は「3.4%増」でした。米国ではこの「ブラックフライデー」を皮切りに、年末商戦がスタートすると言われ、まずまずのスタートだったようです。さまざまなコストが上昇し、雇用市場に懸念がある中でも、米個人消費は底堅いことが示されました。小売り各社は価格に敏感な消費者を取り込もうと幅広い商品で値引きを行っていますが、過去数年ほどの引き下げはしていないようで、物価上昇の影響もあり、資産効果の恩恵を受けている高所得層が全体を牽引する構図が、ますます強まったとの声もありました。
先週末、全国の物価の先行指標となる11月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が発表され、前月から伸びは横ばいでした。ただ、11月は事前予想を上回り、市場の早期利上げ観測の支えとなりそうです。総務省の発表によると、コアCPIは前年比「2.8%」の上昇で、市場予想の「2.7%」を上回っていました。日銀が目標とする「2%」を上回るのは、これで13カ月連続となります。
米国が提案する和平案を協議するため、ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記とキスリツァ第1外務次官を含む交渉団が米フロリダに向かい、ゼレンスキー大統領も「代表団がウクライナの明確な優先事項に沿って作業すると期待する」と述べていました。しかし、両国の交渉担当者は和平合意の枠組みを巡り生産的な話し合いはできたものの、最終的な打開には至らなかったことを明らかにしました。フロリダ州マイアミのハランデールビーチで開かれた協議には米国側はルビオ国務長官とウィトコフ米特使、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が出席。ルビオ氏は会談後、「生産的な協議だった」と述べた上で「やるべきことはまだある」と語り、「交渉は繊細で、複雑だ」と説明しました。また、戦闘の終結だけでなく、「ウクライナが真の繁栄の時代に入るのを支援することも交渉の目的だ」としていました。ウィトコフ氏は今週、米代表団を率いてロシアで協議する予定です。そのためウクライナにとっては、この日の交渉が事前に同氏を説得する最後の機会だった可能性が高いとされていましたが、ウクライナ側は領土の割譲を受け入れてはいないようで、この点が最大の焦点であったようです。28日にはロシアがウクライナの首都キーウに空爆を行い、少なくとも3人が死亡。広範な停電も発生しており、和平への道は依然として遠いような気もします。
片山財務相は30日朝のフジテレビの報道番組で、足元の急激な円安の乱高下について、「ファンダメンタルズで動いていないのは明確だ」と述べ、さらに「大きな動きが全てそういう動きなので、そこについて警戒を発するのはわれわれの立場だ」と語っていました。また、「為替の水準には決してコメントしない」とも述べています。
本日は、植田日銀総裁の講演が10時05分から名古屋で行われます。今年最後の決定会合を前に、最後の公式な講演かと思われます。上述のように、物価上昇は続いており、多くの審議委員が利上げに前向きななか、依然として「利上げの確度は高まっている」としながらも慎重な姿勢を見せるのか、あるいは足元で急速に進んだ円安を意識し、利上げの可能性を示唆するのか、注目されます。個人的には「そろそろ利上げに前向きな姿勢を見せるのでは」と考えていますが、「委員の中では最もハト派」との声もあるなか、慎重な姿勢を維持する可能性もあります。因みに、今朝の時点での、12月会合での利上げ確率は「59.8%」と、先週木曜日の「36.2%」から上昇しています。
本日のドル円は155円~157円程度を予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
NYでは株式と債券市場が短縮取引だったこともあり、ドル円は156円台前半で小動き。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-12-01 10:15