【為替本日の注目点】ドル円156円台まで反発

前日急落したドル円は反発。株価の上昇もあり156円18銭までドルが買われた。ユーロドルはドルが買われたことで売られたが、11月のCPIが予想を上回ったことがユーロの支えに。株式市場では3指数が揃って反発。ビットコインの上昇も株価に好影響を与え、買い安心感につながる。債券は横ばい。金は4日ぶりに大幅反落。原油も売られる。
11月自動車販売台数 → 1560万台
ドル/円 155.75 ~ 156.18
ユーロ/ドル 1.1592 ~ 1.1626
ユーロ/円 180.75 ~ 181.36
NYダウ +185.13 → 47,474.46ドル
GOLD -54.00 → 4,220.80ドル
WTI -0.68 → 58.64ドル
米10年国債 ±0 → 4.088%
【本日の注目イベント】
豪 豪7-9月期GDP
中 11月RatingDogサービス業PMI
中 11月RatingDog総合PMI
独 11月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏10月卸売物価指数
欧 ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
欧 ユーロ圏11月サービス業PMI(改定値)
米 11月ADP雇用者数
米 9月輸入物価指数
米 9月輸出物価指数
米 9月鉱工業生産
米 9月設備稼働率
米 11月ISM非製造業景況指数
米 11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
米 11月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
月曜日に行われた植田日銀総裁の発言で、一気に154円67銭まで円高に振れたドル円でしたが直ぐに切り返し、昨日のNYでは156円18銭まで反発しました。結局、今回のドル急落前の水準まで戻り、ドルを買いたい投資家にとっては「いい買い場」を提供された格好になりました。昨日のコメントでも触れましたが、まだ足元の「ドル高基調」に変化はないようです。昨日の日本債券市場では、日銀の利上げ観測を背景に10年債利回りが一時「1.88%」まで上昇。17年半ぶりの高水準を記録しました。その後国債の入札が好調だったことで一旦金利は低下しましたが、高市首相の「責任ある積極財政」を基調に、金利の上昇圧力は続きそうです。FRBによる利下げと日銀の利上げという2大イベントはほぼ市場に織り込まれたと思われます。両会合まではやや材料不足の感は否めませんが、16日に発表される「11月の雇用統計」など、市場は来年以降の日米金融政策を読み解く手掛かりを模索し始めることになります。気を付けたいのが、米最高裁がトランプ関税を違法と判断する可能性です。すでに長官を含め、違法だとする判事が多いなか、結論が年内に出される可能性もあります。
トランプ大統領は2日、次期FRB議長の候補を「来年早々に発表する」と述べました。国家経済会議(NEC)委員長のケビン・ハセット氏を有力候補として示唆し、「尊敬される人物」と称賛しています。ホワイトハウスで開いた閣議でトランプ氏は「FRB新議長の人選を、恐らく来年早々に発表する」と述べ、ベッセント財務長官がこれまで、「クリスマス前後に公表される可能性がある」と語っていた時期よりも遅れそうです。ブルームバーグは先週、「ハセットNEC委員長が次期FRB議長の最有力候補に浮上している」と、事情に詳しい関係者からの情報として伝えていました。トランプ氏は閣議後の別のイベントでもこの見方を認めるような発言をしており、その場で「FRBの次期議長候補もここにいるようだ」と語り、「誰がそう呼んでいいのか分からないが、彼は尊敬されている人物だ。それだけは言える。ありがとう、ケビン」と述べていました。トランプ氏は、およそ10人の候補者をベッセント氏やラトニック商務長官らと検討し、「最終的に1人に絞った」とも述べており、どうやら次期議長はハセット氏に決まりそうです。また、南米ベネズエラに対して強硬な姿勢を見せているトランプ氏は、ベネズエラなどの麻薬組織を標的に、近く地上攻撃に踏み切る意向を示唆しています。トランプ氏は、「近く地上でも攻撃を始めるつもりだ。地上攻撃の方がずっと容易であり、われわれは彼らのルートを把握している」と発言。地上攻撃の開始は「かなり近い」と続けていました。
OECDは2日に発表した最新の経済見通しで、米国とユーロ圏の今年と来年の成長率予測を引き上げました。また、他の主要国についても小幅に上方修正しています。ただそれでも、世界経済の2026年成長率予想を、関税の影響が今後本格的に表れると予想して「2.9%」に据え置き、今年の「3.2%」からの低下を見込んでいます。その理由として「貿易政策の急速な変更への懸念と相まって、先行きは脆弱(ぜいじゃく)であり、見通しには相当程度のリスクがある」と指摘しています。一方で、「世界経済はトランプ米大統領による関税の影響にもかかわらず、想定以上に堅調に推移している」との認識を示し、「AIへの旺盛な投資や、財政・金融政策が下支えしている」との評価もしていました。
本日のドル円は155円20銭~156円50銭程度を予想します。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ) (写真:123RF)
前日急落したドル円は反発。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-12-03 10:15