【為替本日の注目点】ドル円、利上げにもかかわらず157円台後半に

 ドル円は、円売りが進みNYでは157円78銭までドル高が進む。日銀が利上げを行い、会見では植田総裁は利上げ継続を示唆したものの、そのペースが遅れるとの観測から円売りが加速。ユーロドルは小幅に下落したものの、1.17台は維持。対円では184円72銭近辺まで上昇し最高値を更新。株式市場では、3指数が揃って上昇。特に売られていたナスダックは1.3%を超える上昇を見せる。債券は小幅に下落。長期金利は4.14%台で推移。金は買われ、原油も3日続伸。 11月中古住宅販売件数 → 413万戸 12月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 52.9 ドル/円 156.92 ~ 157.78 ユーロ/ドル 1.1702 ~ 1.1737 ユーロ/円 183.89 ~ 184.72 NYダウ +183.04 → 48,134.89ドル GOLD +22.80 → 4,387.30ドル WTI +0.51 → 56.66ドル 米10年国債 -0.003 →4.147% 【本日の注目イベント】 英 7-9月期GDP(改定値) 英 7-9月期経常収支  日銀は先週末の金融政策決定会合で市場予想通り、政策金利を0.75%程度に引き上げることを全員一致で決めました。これで政策金利の水準は実に30年ぶりの高水準となります。植田総裁の体制で2024年3月にマイナス金利を解除して以降では4回目の政策変更となります。注目された今後の金融政策運営については、現在の実質金利は「極めて低い水準にある」と指摘。その上で、「日銀の経済・物価見通しが実現していけば、その改善に応じて引き続き利上げで金融緩和の度合いを調整していく方針を維持した。利上げ後も緩和的な金融環境が維持される」と説明。「引き続き経済活動をしっかりとサポートしていく」と述べていました。ただ、質疑応答で「中立金利」についての質問を受けた総裁は、「中立金利の概念自体は金融政策の枠組みを考えるうえで大事。なぜ推計して公表したかというと外国でも同じような問題意識から推計されている。様々な中銀がそれを参考にしているので我々も推計して公表した。現状では幅のある推計結果で、これがもっともらしいと言えるわけでもないので絞らずにそのまま公表した」と答え、さらに他社からの同じような質問にも「大事な点は統計的推計作業として絞り切れないものの、経済への反応をみつつ手探りで見ていかなければならない」と述べていました。市場が予想していたほど「タカ派的」ではなかったことで円売りが加速した面がありました。  日銀の0.25ポイントの利上げは市場に織り込まれていたこともあり、決定後ドル円は156円前後で推移し、大きな動きは観られませんでしたが、植田総裁の会見をきっかけに円売りが加速し、NYでの157円台後半につながりました。ドル円は11月20日に157円89銭という、「今年の円の最安値」を記録しました。その後、介入警戒感やFRBの利下げ観測の高まりなどでドルが売られる場面もありましたが、それでも154円40銭前後まで下げると反発し、この状況に筆者は何度も「ドルが底堅い」というコメントを残しました。これで、目先の材料はなくなりました。ドル円は再び介入を意識しながら、前回の高値更新を試す展開を予想しています。今週から市場参加者も減り、レートが飛びやすい状況になります。もし介入があれば、一気に水準を下げやすい反面、ドル買いを仕掛ければドル高にも跳ねやすいと言えます。市場が薄くなるだけに、注意が必要です。  もし、今年最後の材料になるとすれば、これだろうと考えていたのが、「トランプ関税」を巡る連邦最高裁の判断でした。これについてブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は、「米連邦最高裁判所は今月または来月にも、トランプ政権による合成麻薬フェンタニルの密輸に関連する関税と相互関税を違法と判断する可能性が高い。下級裁判所は、最高裁の判決が全国的に適用されるかどうかを判断することになるだろう」との記事を配信し、その理由として、「別の訴訟では、関税申告の確定手続きの仮差し止めを求めた企業側の申し立てが退けられた。最高裁が関税を違法と判断した場合、政府が再確定に反対しないことに同意したためだ」としています。「ただしトランプ政権は、おそらく他の法令に基づき一部の貿易関税を復活させるだろう」と続けていました。ハセット国家経済会議(NEC)委員長はCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」で、「最高裁がわれわれの主張を支持すると確信している」とした上で、「仮にそうでなくても、広範な返還を求めることはまずあり得ないだろう。返還手続き自体が行政上の問題になるからだ」と語っていました。  本日のドル円は156円80銭~158円30銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は、円売りが進みNYでは157円78銭までドル高が進む。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-12-22 10:00