【為替本日の注目点】ドル円、けん制発言に下げるが限定的

157円台前半で推移していたドル円は、片山財務相の介入を示唆する発言に156円80銭台まで下落。ただ、けん制発言は現時点では限定的。ユーロドルは1.17台で小動きながら、ユーロ円は欧州時間に184円91銭まで買われ最高値を更新。株式市場では3指数が揃って続伸。幅広い銘柄が買われ、S&P500は43ポイント高。債券は売られ、長期金利は4.16%台に上昇。金は大幅に続伸し最高値を更新。米国とベネズエラとの地政学リスクで買われたが、ブラジルなど新興国からの買いが旺盛との見方。原油は4日続伸。
ドル/円 156.71 ~ 157.37
ユーロ/ドル 1.1743 ~ 1.1769
ユーロ/円 184.17 ~ 184.81
NYダウ +227.79 → 48,362.68ドル
GOLD +82.10 → 4,469.40ドル
WTI +1.49 → 58.61ドル
米10年国債 +0.016 →4.163%
【本日の注目イベント】
豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
独 独11月輸入物価指数
米 10月耐久財受注
米 7-9月GDP(速報値)
米 10、11月鉱工業生産
米 10、11月設備稼働率
米 12月コンファレンスボード消費者信頼感指数
債券の売りが止まりません。昨日の東京債券市場では10年債がさらに売られ、長期金利は2.1%まで上昇しました。そもそも、先週末の日銀金融政策決定会合で、日銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ、その後の会見で植田総裁が中立金利について「特定することは難しく、かなり幅を持ってみる必要がある」と述べたことで、今後の利上げペースが遅れるとの見立てから円売りが加速しました。これでドル円は2円近くも円安に振れ、NYでは157円78銭までドルが買われた経緯がありました。
ところが昨日の債券市場では、「円安が進み、日銀が利上げを迫られる」との観測から、「日銀への利上げ圧力→金利上昇→債券の売り材料→債券が売られ、実際に金利が上昇」といったメカニズムだったようです。為替市場では利上げの遅れから円安が進み、債券市場では円安が利上げを早めることで金利が上昇、といった見立てです。教科書的に言えば、後者の方が理に適っていると思われます。「市場は頻繁に間違う」といった言葉を思い出しますが、「それがマーケットだ」とも言えます。もっとも、債券市場では、高市政権の積極的な財政政策が根本にあり、それが需給に影響を与えていると見ています。2026年度の一般会計の総額は120兆円を超えそうで、過去最大だった25年度を上回るようです。10年債を含む国債の増発懸念から債券が売られています。金利上昇は国債の利払いを増やし、そのためにさらに国債を増発する必要があるといった、「悪循環」に陥ります。そしてその先には、財政規律の悪化から「格下げ」という問題にもつながります。
片山財務相は、為替の過度で無秩序な変動に対し、断固として措置を取る用意があるとし、介入も辞さない姿勢を改めて示しました。21日にブルームバーグの単独インタビューに応じています。片山氏は、日銀の植田総裁の19日午後の記者会見後に進んだ円安について、「非常に短い時間での動き。完全にファンダメンタルズではなくて投機だ」と指摘。このような動きに対して、「9月の日米財務相共同声明に基づき、断固として措置を取る。アクションを取るということを申し上げている」と語っています。さらに、「為替介入も含めた行動を取れるということは日米財務相間の合意事項であり、フリーハンドがあるということだ」と説明しています。また、年末年始で取引が薄くなる中でも、「常に万全の態勢が整っている」とし、「状況はその都度異なるため、介入の手法に定型のパターンはない」とも述べていました。片山財務相は円安を巡り、これまでにも何度かけん制発言を行ってきましたが、今回の発言で直ぐに介入が実施されるとは思えませんが、これまでよりも「強いトーン」になってきたのは事実でしょう。この発言が報じられた後、NY市場では円が上昇幅を拡大し、157円30銭辺りから一時は156円80銭台までドルが下落しましたが、今のところドルの下げ幅は限定的でした。
FRBのミラン理事は、来年も利下げを続けなければ、リセッション(景気後退)を招くリスクがあるとの考えを示しました。ミラン氏は22日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「政策を引き下げ方向に調整しなければ、リスクが生じると思う。短期的に景気下降は想定していない」としつつも、「失業率の上昇はFRB当局者に利下げの継続を促すはずだ」と付け加えていました。また、「失業率は、人々が想定していた水準を上回る可能性が出てきた。こうしたデータは当局者をハト派方向に促すはずだ」とも述べています。OIS市場が示す現時点での2026年の利下げ回数は2回程度で、筆者は最大で2回、インフレの動向によっては1回の可能性もあるのではないかと予想していますが、不透明な部分が多く、予想も非常に困難なのが実情です。
本日のドル円は156円~157円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
157円台前半で推移していたドル円は、片山財務相の介入を示唆する発言に156円80銭台まで下落。(イメージ写真提供:123RF)
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2025-12-23 10:30