【為替本日の注目点】米経済指標概ね良好

ドル円は、値幅は限られたものの、良好な経済指標を受けて底堅く推移。158円88銭まで買われたが、上値も介入警戒感が抑える展開。ユーロドルは続落。1.1594まで売られ、1ヵ月半ぶりの水準に。株式市場では、台湾のTSMCが好決算を発表し半導体に強気の見通しを示したことで、ハイテク株が大幅高。3指数は揃って買われ金融株も上昇。債券は反落し、長期金利は4.16%台に上昇。金は小幅に反落。原油はイランの緊張が和らいだことで2ドルを超える大幅安。
11月輸入物価指数 → 0.1%
11月輸出物価指数 → 3.3%
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 12.6
1月NY連銀製造業景況指数 → 7.7
新規失業保険申請件数 → 19.8万件
ドル/円 158.43 ~ 158.88
ユーロ/ドル 1.1594 ~ 1.1625
ユーロ/円 183.85 ~ 184.35
NYダウ +292.81 → 49,442.44ドル
GOLD -12.00 → 4,623.70ドル
WTI -2.83 → 59.19ドル
米10年国債 +0.037 → 4.169%
【本日の注目イベント】
独 独12月消費者物価指数(改定値)
米 12月鉱工業生産
米 12月設備稼働率
米 1月NAHB住宅市場指数
米 ジェファーソン・FRB副議長講演
加 カナダ12月住宅着工件数
ドル円は介入警戒感が強いものの、結局158円台を割り込む動きも見せずに底堅く推移しています。昨日は連日最高値を更新している日経平均株価が大幅安となった中でも、底堅さを見せていました。今月にも衆議院が解散され、投票日は2月8日か15日になる公算が高いと伝えられ、野党には準備期間がないこともあり「高市自民党有利」との見方もあります。そんな中、昨日は「立憲民主党と公明党が新党結成で合意」とのニュースが飛び込んできました。両党とも地盤沈下が続き支持率の低下も止まらず、中道路線を貫くために、これ以外に選択肢はない状況で、特に驚きはありません。解散総選挙は、すでに市場に織り込まれているため、2月の選挙で自民党が議席を増やすのか、あるいは巷間言われているように、「高市支持は高いが、自民党支持は戻っていない」ことで、議席数を減らすのか、今回の選挙結果が為替に与える影響はこれまでになかった程大きいと考えています。156円台から159円台までドル円を押し上げた原動力が「高市トレード」であったことを考えれば、当然と言えます。「高市トレード」のもう一段のギアアップか、それとも失速か、事前の世論調査などにも注目したいと思います。
米国と台湾が貿易協定で合意しました。台湾からの輸入品に対する米国の関税を15%に引き下げるほか、台湾の半導体企業による米事業向けの資金調達規模を5000億ドル(約79兆2000億円)拡大することのようです。トランプ政権が15日に発表した合意条件によると、台湾からの輸入品に課される関税率は従来の20%から引き下げられ、日本や韓国と同水準となります。昨日その台湾の世界的半導体メーカーのTSMCが決算を発表しました。売上高は約19兆円で、純利益は8兆5800億円でした。売上高純利益率は45%です。世界屈指の高収益企業だと言えます。因みに日本を代表するトヨタ自動車では、売上高は50兆円程度、純利益は4兆円には届かない水準が予想されています。さらにTSMCは、今年の設備投資に9兆円を投じる模様で、全てが桁違いです。昨日のNYでは同社が好決算を発表したことで、「ITバブル説」が一蹴され、株価を押し上げています。
米国が取得に意欲を示すデンマーク自治領グリーンランドに、欧州諸国が軍要員を派遣しようとしているとの報道があります。米国とデンマークの対話が膠着状態にある中、欧州では、米国の脅威への対応が急務となっているようです。ドイツ国防省は15日、欧州の結束を示すため、他のNATO加盟国と共に、16日に調査チームをグリーンランドに派遣すると発表しました。フランスのマクロン大統領は、軍隊への演説で、フランス軍の第1陣が既にグリーンランドに到着し、追加人員も向かっていると述べていました。マクロン氏は「私たちは、不安定化要因が目覚めた世界に生きている」と発言し、「欧州にはかつては予測可能で、常に味方と信じていた同盟国が、いまや深刻な疑念を抱かせたり、最も疑っていなかった国にさえ背を向けるようなことをしている」とも述べました。欧州の「調査団」にはドイツから13人の兵士、スウェーデンの「数人の将校」、ノルウェー、英国の将校などが参加すると、報じられています。
7日にミネアポリスで、移民・関税執行局(ICE)職員が女性を射殺した事件を巡り、抗議デモが広がっていることに関してトランプ大統領は、連邦移民当局の職員を巡るミネソタ州での激しい衝突を受け、抗議デモ鎮圧に向けて同州に軍を投入する可能性を示唆しました。トランプ氏はSNSへの投稿で「ミネソタの腐敗した政治家が法を順守せず、職務を果たそうとしているICEの愛国者を攻撃する扇動者や反乱者を止めないのであれば、私は反乱法を発動する」と書き込みました。力で抑え込もうとする姿勢は、かの強権国を連想させます。
昨日発表された「1月フィラデルフィア連銀景況指数」、「1月NY連銀製造業景況指数」そして、「新規失業保険申請件数」は、いずれも良好な内容でした。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、前日の発言よりもさらに「タカ派的」な内容の発言を行っています。労働市場に安定の兆しが見られるとして、FRBの最優先課題はインフレ抑制であるべきだとの認識です。グールズビー氏はCNBCとのインタビューで、「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」と発言。また、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」と述べました。さらに総裁は、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」と述べ、その上で「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」と続け、先ずはインフレ抑制に注力すべきとの認識を示しました。
本日のドル円は158円~159円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は、値幅は限られたものの、良好な経済指標を受けて底堅く推移。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-16 10:30