【為替本日の注目点】トランプ大統領、武力行使発言を撤回

ドル円は再び158円台半ばまで上昇。トランプ大統領がダボス会議で、グリーンランド取得に武力行使はしないと明言したことで、リスク選好の流れが後退。株価の上昇もあり、158円53銭までドルが買われる。ユーロドルは小幅に反落。1.17台を割り込み1.1677まで売られる。株式市市場では、グリーンランドを巡る対立で、トランプ大統領が欧州に対して追加関税を課さないとしたことで、3指数は大幅に反発。債券も買われ、長期金利は4.24%台に低下。金は続伸し4800ドル台に。原油も小幅に続伸。
12月中古住宅販売成約件数 → -0.6%
ドル/円 157.77 ~ 158.53
ユーロ/ドル 1.1677 ~ 1.1743
ユーロ/円 184.96 ~ 185.44
NYダウ +588.64 → 49,077.23ドル
GOLD +71.70 → 4,837.50ドル
WTI +0.26 → 60.62ドル
米10年国債 -0.046 → 4.247%
【本日の注目イベント】
豪 豪12月雇用統計
日 12月貿易統計
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感指数(速報値)
欧 ECB議事要旨(12月開催分)
米 新規失業保険申請件数
米 7-9月GDP(改定値)
米 10、11月個人所得
米 10、11月個人支出
米 10、11月PCEデフレータ(前月比)
米 10、11月PCEデフレータ(前年比)
米 10、11月PCEコアデフレータ(前月比)
米 10、11月PCEコアデフレータ(前年比)
今日も、トランプ大統領のグリーンランド獲得に執念を燃やす動きと、それに関連するスイス、ダボス会議での一連のニュースが満載です。話題の中心には常にトランプ大統領がいます。
トランプ氏の強硬な姿勢に欧州各国が反発を強めましたが、その筆頭がフランスのマクロン大統領でした。マクロン氏はサングラスをかけ、ややこわもての様相で登壇し、英語で演説を行いました。マクロン氏は、「強者の論理だけが通用するルールなき世界にむかいつつある」と訴え、「米国は欧州を弱らせ、従属させようとしている」と、トランプ氏の行為を厳しく非難しました。フォンデアライエン欧州委員長も米国の追加関税に対して「結束して断固とした措置を取る」と発言していました。欧州以外の首脳でも、カナダのカーニー首相は、「グリーンランドを巡る関税措置に強く反対する」と演説を行い、中国の何立峰副首相も、「強者が弱者をいじめる『ジャングルの掟』に世界が戻ってはならない」と警告していました。ただ、NATOのルッテ事務総長だけは、トランプ寄りの姿勢を見せ、「私は彼がいてくれて良かったと本気で思っている」と話していました。もっとも、これも驚きはなく、ルッテ氏は昨年米国がイランを攻撃した際にトランプ氏を大げさと思えるほど称賛し、「こびへつらっている」と批判されていました。このような、強硬な反対姿勢を感じたのか、トランプ大統領はダボス会議の演説で、グリーンランド獲得のため早急な交渉を要求すると述べた一方で、「米国は過度な武力行使を考えていない」と、前日までの発言を撤回しています。まさに「朝令暮改」ですが、この発言で、株式と債券が買われ、ドル円は158円台半ばまで買われています。為替はそれほどではないものの、株式と債券の担当者は、天国も地獄も味わう展開が続いています。
ブルームバーグは、「ECBのラガルド総裁が、ダボスで20日行われた招待客のみが参加する着席形式の夕食会で、ラトニック米商務長官が欧州を厳しく批判し始めたことを受け、突然退席した」と伝えています。報道によれば、「この夕食会には100人以上が参加し、ラトニック氏が最後の講演者として登壇した。ラトニック氏は夕食会の出席者に向け、欧州の経済を軽視し、米国の力強さと比べて競争力に欠けていると述べた。この発言に会場にいた複数の欧州側参加者が不快感を示し、批判が強まる中でラガルド氏が退席するのが目撃されたと」としています。ラガルド氏は元フランス財務相で、トランプ政権の1期目の大半においてIMFトップの専務理事も務めた人物で、2024年初めには、「トランプ氏のホワイトハウス復帰が欧州にとって問題となり得る」と警告していた経緯があります。よほど腹にすえかねたのでしょうか、温厚なラガルド氏としては異例な行動だと思います。
トランプ政権がクックFRB理事の解任を認めるよう訴えている訴訟で、米連邦最高裁の判事らは、政権側が住宅ローン契約に関する詐欺疑惑を理由に解任を目指していることに警戒感を示しました。「こうした措置は連邦準備制度の独立性を揺るがし、市場を動揺させかねない」と指摘しています。今回は、トランプ氏が任命した判事からも懐疑的な見解が示されました。カバノー判事はトランプ氏の主張について、「連邦準備制度の独立性を弱体化させ、破壊とまでは言わないが損なう」と述べ、バレット判事は金融市場へのリスクが「われわれとして慎重になる理由となるのではないか」と問いかけた一方で、「クック理事の立場を全面的に受け入れる用意はない」との考えも示唆していました。クック氏は審理後に発表した声明で、「連邦準備制度が証拠と独立した判断に基づいて政策金利を決めるのか、それとも政治的圧力に屈するのかが問われている」と強調していました。
本日のドル円は157円50銭~159円10銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は再び158円台半ばまで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-22 10:15