【為替本日の注目点】ユーロ円186円台に乗せる

 ドル円はアジア市場の流れを受け158円90銭まで上昇。GDPが上振れし、失業保険申請件数も減少したことでドル買いが優勢に。ユーロドルは1.17台で推移。ユーロは対円で186円20銭前後まで買われ、最高値を更新。米欧間の緊張が和らいだことで、株式市場では前日の大幅高の流れが続き、この日も3指数が続伸。債券はほぼ横ばい。長期金利は4.24%台で変わらず。金は大幅に続伸し、初の4900ドル台に。原油は反落。 新規失業保険申請件数 → 20万件 7-9月GDP(改定値) → 4.4% 10、11月個人所得 → 0.1%、0.3% 10、11月個人支出 → 0.5%、0.5% 10、11月PCEデフレータ(前月比) → 0.2%、0.2% 10、11月PCEデフレータ(前年比) → 2.7%、2.8%  10、11月PCEコアデフレータ(前月比)→ 0.2%、0.2% 10、11月PCEコアデフレータ(前年比)→ 2.7%、2.8% ドル/円 158.25 ~ 158.90 ユーロ/ドル 1.1704 ~ 1.1756 ユーロ/円 185.50 ~ 186.20 NYダウ +306.78 → 49,384.01ドル GOLD +75.90 → 4,913.40ドル WTI -1.26 → 59.36ドル 米10年国債 ±0 → 4.247% 【本日の注目イベント】 日 12月消費者物価指数 日 日銀金融政策決定会合 日 植田日銀総裁記者会見 日 通常国会召集 独 1月製造業PMI(速報値) 独 1月サービス業PMI(速報値) 欧 ラガルドECB総裁とゲオルギエワIMF専務理事、パネル討論会に参加(ダボス) 欧 ユーロ圏1月製造業PMI(速報値) 欧 ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値) 英 12月小売売上高 英 1月製造業PMI(速報値) 英 1月サービス業PMI(速報値) 米 1月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) 米 1月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) 米 1月S&Pグローバル総合PMI(速報値) 米 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値)  トランプ大統領が、グリーンランド獲得に武力行使はしない、さらに米国の行動に反対した欧州8カ国に対する追加関税の発動もしないと発表したことで、昨日の東京市場ではドル円が買われ、一時158円89銭近辺まで上昇。日経平均株価も一時1100円を超える上昇を見せるなど、ひとまずリスクオフの流れは後退しました。トランプ氏はその後ダボスで、グリーンランドを巡り「将来の合意の枠組みに達した」と主張しました。ただトランプ氏は、「枠組み」が何を示すのか、具体的な内容については説明していませんが、記者団に対し、合意の詳細を近く公表すると述べていました。米国がグリーンランドの所有権を得る内容かどうかを問われると回答を避け、「長期的なディールだ。究極の長期ディールで、全員が非常に良い立場になると思う」と語っていました。  その「枠組み」について、協議内容に詳しい欧州当局者は、「米国のミサイル配備や中国の関与を排除するための鉱山採掘権、そしてNATOのプレゼンス強化が盛り込まれている」と、明らかにしています。NATOのルッテ事務総長はダボスでのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「北極の防衛、とりわけグリーンランドを優先する場合、われわれはもっとエネルギーと時間、そして関心を注がなければならない。なぜなら、シーレーン(海上交通路)が開かれつつあるからだ」と語っていました。それほど具体的ではありませんが、トランプ大統領が、グリーンランドの獲得を諦めていないことだけは事実のようです。  デンマークの年金基金運用者が、米国債投資から撤退する可能性を示唆したことについて、トランプ氏はFOXビジネスとのインタビューに応じ、「彼らがそうするのであれば構わない。しかし、実際にそうなればわれわれは大きな報復を行うことになる」と発言し、「われわれは全てのカードを握っている」とも述べていました。米国が具体的にどのような措置を取るのかについては言及していません。さらに、カナダのカーニー首相が20日の演説で、「国際的なルールに基づく秩序は事実上崩壊した。最も強大な国々が経済的統合を威圧の手段として用いながら、自国の利益を追求する時代に移った」と述べたことに対してもトランプ氏は、「カナダはわれわれから多くの無償の恩恵を受けている。感謝すべきだが、そうしていない。昨日見たが、彼が感謝しているようには思えなかった」と語り、その上で、「カナダは米国がいるからこそ成り立っている。マーク、次に発言するときはこのことを覚えておくことだ」と、カーニー首相をファーストネームで呼んでいました。いずれも、自身が行うことに反対する相手を恫喝していますが、残り3年の任期を残し、どこまで暴走するのか予想もつきません。  トランプ氏は米国内でも吠えています。トランプ氏は、米銀最大手のJPモルガン・チェースと同行のジェイミー・ダイモンCEOを相手取り、少なくとも50億ドル(約7900億円)の損害賠償を求めて提訴しました。22日に提出された訴状は、取引上の信用毀損および誠実な取引義務の黙示的契約違反を理由としています。さらに、不公正な取引慣行を禁じるフロリダ州の法律にダイモン氏が違反したとも指摘していました。これに対しJPモルガンは、口座閉鎖は政治的または宗教的理由ではないと主張しています。トランプ氏はこれまでも、銀行が思想的理由で顧客への金融サービスを拒む行為を批判しており、JPモルガンを名指しすることも多かったようです。今回の訴訟は、トランプ氏本人と複数の関連企業によって提起されており、訴状によると、JPモルガンは「予告も正当な理由もなく口座の閉鎖を通告し、原告側に深刻な財務的および評判上の損害を与えた」としています。  金価格の上昇が止まりません。筆者は金価格が1000ドル以下の時から動きをみてきましたが、今回のラリーは「投機的な動き」と、単純には言えないほどの上昇です。今年だけでもすでに530ドル(約12%)程上昇しており、米ゴールドマンは昨日、これまで「2026年末の価格を4900ドル」と予想していたものを、「5400ドル」に引き上げました。もはや、安全資産であった「円やスイスフラン」を完全に凌駕しています。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザやシリアへの攻撃。また最近では米国によるベネズエラ、イランへの攻撃に加え、欧州とも関係を悪化させるなど「地政学リスク」が急速に高まっています。日経新聞は「炭鉱のカナリア」説を取り上げ、各国中銀や大口投資家によりただ単に金が買われているだけではなく、この動きが何を意味するのか注意を呼び掛けていました。  本日の日銀金融政策決定会合では、政策金利は据え置かれると予想しています。注目は15時30分からの植田総裁の会見です。前回の会見では、総裁の口から言葉が発せられる度に円が売られる展開でした。「今後も状況を適切に判断しながら金融調節を行っていく」といった意味合いの発言をすると思われますが、ドル円の159円台乗せがあるのか、注目です。  本日のドル円は157円30銭~159円30銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はアジア市場の流れを受け158円90銭まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-23 10:00