【為替本日の注目点】ドル円、週開けは154円台半ばまで下落

 植田日総裁の会見を受け159円23銭まで上昇したドル円はその後急落。レートチェックの噂が円買いを加速させ、NYでも同様にNY連銀によるレートチェックの噂さが広がる。ドル円は大台を4つ変え155円60銭まで急落。ドル円で円が買われたことで、ユーロドルも上昇。1.1834までユーロ高が進む。株式市場ではダウは売られたものの、ナスダックとS&P500は小幅に買われ、まちまちの展開。債券は買われ、長期金利は4.22%台に低下。金は4日続伸。原油も反発し61ドル台に。 1月S&Pグローバル製造業PMI(速報値) → 51.9 1月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値) → 52.5 1月S&Pグローバル総合PMI(速報値) → 52.8 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 56.4 ドル/円 155.60 ~ 158.33 ユーロ/ドル 1.1735 ~ 1.1834 ユーロ/円 183.59 ~ 186.00 NYダウ -285.30 → 49,098.71ドル GOLD +66.30 → 4,979.70ドル WTI +1.71 → 61.07ドル 米10年国債 -0.022 → 4.225% 【本日の注目イベント】 日11月景気先行指数(CI)(改定値) 日11月景気一致指数(改定値) 日党首討論(日本記者クラブ) 独1月ifo景況感指数 米11月耐久財受注  ドル円が大きく動きました。先週末の日銀決定会合では、予想通り政策金利の据え置きを決め、午後3時半からの植田総裁の会見を受け、ドル円は159円台に乗せ、159円23銭まで買われました。これも、ある意味想定通りでしたが、午後4半過ぎ、ドル円は急落しました。わずか10分程度で157円台前半まで下げ、その後NYでは155円60銭まで「ドル安・円高」が進みました。東京時間ではレートチェックの噂が円買いを加速させ、NYでもNY連銀によるレートチェックがあったのではないかとの噂が広がったようです。真相は分かりませんが、衆院選挙を控え、物価高が争点の一つになっていることを考えれば、「後講釈」になって、申し訳ないですが、「政府としても動かざるを得なかった状況」だったのかもしれません。放っておけば、ドル円が160円に向かった可能性もあります。  週明け早い時間には、ドル円はさらに下げ、154円台半ばまで円が買われる場面もありました。高市首相が25日、足元の市場の動きについて「投機的な動きや非常に異常な動きには日本政府として打つべき手はしっかり打っていく」との見解を示したことで、政府日銀による市場介入の可能性が高まったことが背景です。今後の展開ですが、焦点は3つあると考えています。1つ目は、今回のレートチェックを実際にNY連銀も行ったのかどうかです。もし、日銀だけではなく、NY連銀も行ったとすれば、今後「協調介入」の可能性がかなり高まるからです。これまで筆者の経験からすれば、介入で市場のトレンドが変わることはほとんどなかったと言えます。「ドル売り・円買い」介入をするということは、それほど「ドル買い・円売り」の圧力が強いからです。それは、まさに市場の流れであって、それを力でもって変えるのが介入です。ただ、日銀単独ではなく協調介入となれば話が異なります。協調介入は、米国もドル高を望んでいないことになるからです。2つ目は、政府が本気でこれ以上の円売りを阻止したいと考えるのであれば、政府と歩調を合わせ、日銀が追加利上げのタイミングを早める可能性があることです。今年最初の利上げは6月か、7月ごろと筆者は予想していますが、利上げを早めることで、円買いを促すことが出来るからです。決定会合は終わったばかりなので、すぐに利上げを実施することはないと思われますが、植田総裁が講演などの機会に「早期利上げの可能性を匂わす」発言を行うだけで、ドル円は円高に振れることになります。  そして3つ目は、これが一番重要かと思いますが、2月8日投開票の衆院選で、高市自民党が議席を増やすのか、減らすのかという点です。言うまでもなく、ここで議席を増やすことが出来れば、高市氏の「責任ある積極財政」が信認を受けたことになり、再び円が売られ、金利が上昇することになります。一方、もし議席を減らすようだと、「高市トレード」の巻き戻しが起きる可能性があります。首相は勝利の条件として、「連立与党で過半数を獲得すること」と述べており、自民単独での過半数獲得とは言っていません。その分、勝利へのハードルは低いことになります。実際にレートチェックがあったのか、あるいは実弾よる市場介入があったのかどうかは、現時点ではわかりませんが、動きから判断すれば、少なくともレートチェックはあったと考えています。  カナダのカーニー首相がダボス会議で述べた内容が注目を集めています。カーニー首相は20日の演説で、デンマークと自治領グリーンランドを全面的に支持しており、「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」と呼びかけました。カーニー氏は、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」と述べ、明らかに米国を意識した発言を行いました。さらに、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」とも述べていました。この強硬な発言についてブルームバーグは、「カーニー氏の演説は、グリーンランドの支配に意欲を示すトランプ米大統領の主張に反論するものだが、演説原稿では、米国やトランプ氏の名前は一切触れていない。トランプ氏は前日夜、グリーンランドとカナダが米国旗に覆われている地図の写真を投稿した」と説明していました。これに対して、ECBのラガルド総裁もダボス会議の最終パネルで、「経済の観点からも、ビジネスの観点からも、私たちは互いに依存している」と述べた上で、「私たちには非常に強い結び付きとつながりがある。供給業者が優位に立つ場合もある。需給の観点から見れば、私たちにもまた優位性があり、あらゆる方向性を検討する必要があると考えている」と語り、カーニー首相が示した、世界が分断に向かっているという悲観的な見方に、「完全には同意しない」と述べ、「分断を認識してはいない」と語っていました。また、トランプ大統領は、カーニー首相を「カーニー知事」と呼び、「中国はカナダを生きたまま食い尽くし、企業や社会構造、生活様式を破壊するだろう」と主張。「カナダが中国とディールを結べば、米国に入ってくる全てのカナダ製品に直ちに100%の関税が課される」と、SNSに投稿していました。  本日は日経平均株価も大幅な下落が予想されます。株安に伴って円が買われる展開もあるかもしれません。本日のレンジは153円80銭~156円80銭程度を予想します。
植田日総裁の会見を受け159円23銭まで上昇したドル円はその後急落。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-26 10:45