【為替本日の注目点】ドル円、欧州で153円30銭前後まで下げる

 日米協調介入の可能性も浮上したことで、ドル円は上値を重くし、欧州市場では一時153円30銭前後まで下落。NYでもドルの上値は抑えられ、153円台から154円台前半で推移。ユーロドルは一段と買われ、昨年9月以来およそ4ヵ月ぶりとなる1.1907まで上昇。株式市場では3指数が揃って反発。ハイテク株や米大陸が寒波に見舞われていることから電力供給株が買われた。債券も買われ、長期金利は4.21%台に低下。金は5日続伸。地政学リスクの高まりから、アジア時間に5000ドル台に乗せ、NYでは一時5100ドル台まで急騰。原油は小幅に反落。 11月耐久財受注 → 5.3% ドル/円 153.61 ~ 154.34 ユーロ/ドル 1.1835 ~ 1.1907 ユーロ/円 182.50 ~ 183.18 NYダウ +313.69 → 49,412.40ドル GOLD +102.80 → 5,082.50ドル WTI -0.44 → 60.63ドル 米10年国債 -0.014 → 4.211% 【本日の注目イベント】 豪 豪12月NAB企業景況感指数 米 11月S&P Cotality CS20-City YoY NSA 米 11月FHFA住宅価格指数 米 1月リッチモンド連銀製造業景況指数 米 1月コンファレンスボード消費者信頼感指数 米 決算発表→ ボーイング、UPS、GM  先週末に日米の金融当局が「レートチェック」を実施し、市場には協調介入の可能性まで浮上したことで、介入警戒感からドル円は終始上値の重い展開でした。欧州時間には一時153円30銭前後まで下げる場面もあり、先週末のドルの高値からわずか1日でおよそ6円下げたことになります。相当な効果があったことになります。「レートチェック」があったことはほぼ間違いないと思われますが、「実弾介入」については、どうやら「なかった」模様です。  日銀が26日公表した27日の当座預金増減要因の予想値と市場の推計値との差が小さかったことから、円相場が対ドルで急騰した23日の外国為替市場で、日本の通貨当局が円買い介入を実施した明確な形跡は確認できなかったからです。為替取引の実際の決済は2営業日後に行われます。日銀が「ドル売り・円買い」介入を行う場合、通常は直接市場でドル売りをするわけではなく、メガバンクなどが提示するビットをたたき、たたかれたそれらの銀行が市場でドルを売るのが一般的です。従って、介入すれば直ぐに知れ渡ってしまいます。ただ、「覆面介入」の場合には、介入先を1行に絞って守秘義務を負わせることも出来ます。また、いわゆる電子ブローキングを利用すれば、ある程度存在を知られずに介入もできそうです。ただ、それでも実際には資金の受け渡しは行われます。売ったドルは日銀が保有するドル資産から相手に支払われ、買った円は最終的には日銀の円が増えることになります。23日に介入が行われた場合、結果は27日の日銀当座預金残高の見通しに表れることになります。日銀の財投等要因の予想値と市場の推計値に大きな隔たりがあれば介入実施の裏付けとなり得るため、同データに注目が集まっていましたが、日銀が26日公表した27日の当座預金増減要因の予想値と市場の推計値との差が小さかったため、実弾介入はなかったものと予想できます。仮にNY連銀が介入を行ったとしても、日銀にあるNY連銀の口座に円が振り込まれるため、実態は変わりません。世界中のどこの中央銀行が円に絡む取引を行った場合、結局、全て日本国内で円決済が行われるからです。  トランプ大統領と欧州との関係が悪化の一途を辿っていますが、意外なところにその影響が出ています。ブルームバーグが伝えるところによると、今年の夏に米国で共催されるサッカーのワールドカップをボイコットすべきだとする声が強まってきました。国際サッカー連盟(FIFA)の元会長ゼップ・ブラッター氏は26日、SNSに投稿し、米国およびWカップから「距離を置くよう」サッカーファンに呼び掛けました。また、ドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)に所属するザンクトパウリの会長で、独サッカー連盟の副会長も務めるオーケ・ゲトリッヒ氏は、ハンブルガー・モルゲンポスト紙とのインタビューで、ボイコットについて「真剣に検討し、議論する時が来た」と述べていると報じました。米国がカナダ、メキシコと共催する同大会はすでに、チケットの価格が高額だとして批判を受けていますが、さらにトランプ氏の政策、とりわけNATO同盟国であるデンマークからグリーンランドの領有権を取得しようとする姿勢を背景に、大会をボイコットすべきだとの議論が広がっている、としています。  先週末に米ミネソタ州ミネアポリスで連邦当局の職員が発砲し、米国市民が死亡した事件を受け、トランプ大統領と上院民主党は対立を強め、再び政府機関閉鎖に向かっています。この事件に反発した上院民主党は、新たな安全策を盛り込まない限り国土安全保障省(DHS)予算を認めないと表明しています。つなぎ予算の期限が30日に迫る中、対立の影響はDHSにとどまらず、国防総省や厚生省、労働省、財務省、教育省にも及ぶ可能性があるようです。  高市首相の台湾有事を巡る発言以来悪化している日中関係ですが、中国外務省は、2月中旬の春節(旧正月)期間中の日本への渡航を控えるようあらためて国民に呼びかけたと、新華社通信が報じました。新華社は、「日本社会は治安が不安定で、中国人を対象とした違法な犯罪事件が多発し、中国人は日本で深刻な安全のリスクに直面している」と伝え、事実とは大きく異なる報道をしています。高市発言が撤回されないかぎり、中国政府はありとあらゆる手段を講じ日本を攻撃しています。すでに、ホテル、デパート、飲食業にその影響が出ていますが、中には10-12月期では前年同期比45%も減少しているとの報告もあります。日本を訪れる外国人はすでに4000万人を超え、過去最高を記録しており、韓国や台湾など、アジア地域からの訪日客も増加していますが、中国からの訪日客とは消費される金額に大きな差があることが指摘されています。  上述のように、今回のドル急落局面では、日米金融当局による「協調介入」はなかったと思えますが、米通貨当局による「レートチェック」が実際に行われたのだとすれば、今後「協調介入」の可能性がなくなったわけではありません。ただ、それでも市場は徐々に「お化けの存在」を恐れなくなるのは、歴史が物語っています。  本日のドル円は153円~155円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
日米協調介入の可能性も浮上したことで、ドル円は上値を重くし、欧州市場では一時153円30銭前後まで下落。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-27 10:45