【為替本日の注目点】ドル全面安の展開

 欧州市場でドルが売られた流れを受け、ドル円はNYではさらにドル安が進む。トランプ大統領がドル安を気にしていないと述べたこともあり、152円10銭まで下げる場面も。ドル安の流れを受け、ユーロドルは一段と上昇。ユーロは2021年6月以来となる1.2084まで急騰。株式市場では大型株や決算発表を控えたIT株などが買われ、ナスダックとS&P500は上昇。一方ダウ408ドル下げ、まちまちの展開。債券は反落。長期金利は4.24%台に上昇。 金はほぼ横ばい。原油は買われ62ドル台を回復。 11月S&P Cotality CS20-City YoY NSA → 13.9% 11月FHFA住宅価格指数 → 0.6% 1月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -6 1月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 84.5 ドル/円 152.10 ~ 153.42 ユーロ/ドル 1.1915 ~ 1.2084 ユーロ/円 182.36 ~ 183.43 NYダウ -408.99 → 49,003.41ドル GOLD +0.10 → 5,082.60ドル WTI +1.76 → 62.39ドル 米10年国債 +0.032 → 4.243% 【本日の注目イベント】 豪 12月消費者物価指数 豪 第4四半期消費者物価指数 日 日銀金融政策決定会合議事録(18日―19日分) 独 2月GFK消費者信頼調査 米 FOMC 政策金利発表 米 パウエル議長記者会見 米 決算発表→ AT&T、スターバックス、IBM、テスラ、マイクロソフト、メタ 加 カナダ中銀政策金利発表  ドル円は「円高局面第2章」といったところでしょうか。昨日は、日銀が26日に公表した27日の当座預金増減要因の予想値と市場の推計値との差が小さかったことから、「実弾介入」はなかった可能性が高いことが確認されたこともあり、ドル円は夕方には154円88銭近辺まで反発しました。このままであれば、NYでは155円台半ばくらいまではドルが買われるかもしれないと、予想していました。ところが、19時過ぎにドル円は再び急落。わずか10分ほどで153円台前半まで下げました。  G7財務相オンライン会合後、片山財務相が省内でドル円が再び急落したことについて、為替動向についてはコメントを控えつつ、「米国と緊密に連携して対応すると」と強調しました。会見は、ドル円が153円近辺まで下げた後に行われたようで、ドルの急落が財務相の発言に反応したものかどうかは微妙なところです。ドル円は片山氏の発言後さらに下げを拡大し、NYでは3ヵ月ぶりとなる152円10銭を付けました。円だけでなく、この日はユーロの上昇も目立ち、ポンドも買われたため、ドルの総合指数である「ドル・インデックス」が大幅に下落しました。トランプ大統領はアイオワ州で、ドルが約4年ぶりの安値水準に下落したことを懸念しているかとの質問に対し、「いや、素晴らしいと思う」とは発言。「ドルの価値を見て見れば、われわれがどれだけビジネスをしているかを見れば分かる。ドルは好調だ」と話し、さらに、「私はただ、公正なこととして、自然な水準を見いだしてほしいだけだ」と述べていました。この発言が、「ドルの下落は気にならない」と受け止められ、さらにドル売りを加速させたようですが、もともとトランプ氏はドル安を望んでいたこともあり、違和感はありません。ただ、一方で急激なドル安は米国内の物価上昇につながる可能性があることから、金利を下げたいトランプ氏の本音は、ドル高の方が都合いいのかもしれません。  そのトランプ氏、今度は攻撃の矛先を韓国に向けました。トランプ氏は26日、韓国から輸入する自動車と木材、医薬品に課す関税を15%から25%に引き上げると韓国に警告しました。米韓両国が昨年妥結した貿易合意について、韓国議会の法制化手続きが進んでいないことを理由に挙げています。トランプ氏は「われわれの歴史的貿易合意を韓国議会が法案として成立させていないため、これをもって韓国の自動車と木材、医薬品への関税、他の全ての相互関税を15%から25%に引き上げる」とSNSに投稿しました。関税が再び引き上げられれば、2024年に110万台を米国に輸出した現代自動車など、韓国の対米輸出企業に広く影響が及ぶ恐れがあります。ただ、「昨日の韓国株式市場では、トランプ氏が関税引き上げの脅しを実行しないかもしれないとの観測が広がり、一時6.1%急落した現代自動車の株価は上昇に転じた。韓国総合株価指数も一時2.3%となった」(ブルームバーグ)とのことです。これはいつもの常套手段ですが、トランプ大統領はたとえ同盟国といえども、米国に利益がなければ容赦はしないといういい例です。  今夜はFOMC会合後に政策金利が発表されますが、利下げは見送られると予想されています。パウエル議長に近い関係者を含む複数の当局者は、過去3回連続の利下げを経て、雇用を支えつつインフレ抑制圧力を維持するには現在の金利水準が適切だと示唆しています。一方で、予想通り金利据え置きを決定すれば、大幅利下げを望むトランプ大統領の怒りをさらに増幅させそうです。先日連邦裁から召喚状を受けたパウエル氏は、温厚な同氏としては極めて異例な「政権批判」を行いました。間もなく、次期FRB議長の名前も公表されそうですが、会合後の会見でパウエル氏がどのような発言を行うのか、こちらにも注目です。  本日のドル円は151円50銭~154円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
欧州市場でドルが売られた流れを受け、ドル円はNYではさらにドル安が進む。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-28 10:30