【為替本日の注目点】ベッセント氏、強いドルを支持

上値の重かったドル円は、ベッセント財務長官が「強いドル政策を支持する」と発言したことが伝わりドルが反発。ドル円は一時154円台まで買われたが、153円台半ばで取引を終える。ユーロドルは反落。前日の1.20台から1.1895まで下落。株式市場では大きな動きは観られず。S&P500はザラ場で7000ポイントを付ける場面があったものの、引け値では小幅安。債券は変わらず。長期金利は4.24%台で推移。金は大幅に続伸。これで7営業日連騰し5300ドル台に。原油も続伸。
ドル/円 152.55 ~ 154.04
ユーロ/ドル 1.1895 ~ 1.1980
ユーロ/円 182.50 ~ 183.57
NYダウ +12.19 → 49,015.60ドル
GOLD +219.60 → 5,340.20ドル
WTI +0.82 → 63.21ドル
米10年国債 ±0 → 4.243%
【本日の注目イベント】
豪 10-12月四半期輸入物価指数
欧 ユーロ圏1月景況感指数
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感指数
米 新規失業保険申請件数
米 11月貿易収支
米 11月製造業受注
米 決算発表→ マスターカード、キャタピラー、アップル、VISA
今年最初のFOMCは、市場予想通り政策金利の据え置きを決定しました。ただ、この日の相場を動かしたのは、FOMCやパウエル議長の会見ではなく、ベッセント財務長官の発言でした。
ベッセント財務長官は28日、米国が外国為替市場でドル売り・円買い介入を検討しているとの観測を打ち消し、従来の「強いドル政策」を維持していると強調しました。同氏はCNBCとのインタビューで、ドル・円相場への米国の介入について質問され、「絶対にしていない」と答えました。そうした措置を取る可能性があるかとの質問に対しては、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」と語りました。発言を受け、ドル円は一時153円79銭まで上昇しました。ベッセント氏は「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」と指摘。「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」と付け加えています。前日には、トランプ大統領が足元のドル下落について容認する姿勢を示しており、ドル安を懸念しているのかと記者団に問われたトランプ氏は、「いや、素晴らしいと思う」と発言。さらに「ドルの価値については、われわれが行っているビジネスに目を向けてほしい。ドルは好調だ」とも述べていました。
ベッセント氏は「トランプ大統領の下で『ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(大型減税・歳出法)』や規制政策を通じ、事業を立ち上げるのに最適で、かつ税制や規制、エネルギーに関する確実性を備えた環境を整えている」と語り、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」とも指摘していました。これで、NY連銀が「実弾介入」を行っていなかったことが判明しました。昨日も触れたように、政府日銀も介入を行っていなかったことから、結局あったのは「レートチェック」だけということになります。出来たら、CNBCのキャスターが、「レートチェック」を行ったのかどうかについても質問して欲しかったと思いますが・・・・。米金融当局とすれば、極端なドル安は望まず、ファンダメンタルズに沿ったドル高を支持する考えだと受け止めました。米国の貿易赤字が縮小していることに触れたのはその証で、貿易赤字の縮小が結局ドル高に寄与することになると考えている節がうかがえます。
FOMC会合では、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.5%~3.75%に据え置きました。昨年12月の利下げを含め、3会合連続で利下げを行ったこともあり、現在その効果を見極めるという意味でも、据え置きが予想されていました。会合では賛成10、反対2で据え置きが決定されました。ウォラー理事とミラン理事が0.25ポイントの利下げを主張し、反対票を投じています。会合後に発表された声明では、「雇用の伸びは低いままで、失業率は安定化の兆しをいくらか示している」と指摘。過去3回の声明に盛り込まれていた、「雇用に対する下振れリスクの高まりを示す文言」は削除されていました。
パウエル議長は会合後の記者会見で、「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」と述べました。労働市場については「安定化の兆しが見られる」との認識を改めて示した一方で、「過度に踏み込むべきではない」とも述べ、「冷え込みが続いている兆候もある」と指摘していました。また、今後の利下げについてパウエル氏は、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」と発言。「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」と述べました。ブルームバーグは、「労働市場に対する評価引き上げは、近い将来の利下げ観測を抑える要因となりそうだ。会合前の時点では、投資家は少なくとも6月までは追加利下げの可能性は低いとみていた」と論じていました。
パウエル氏に対する司法省の刑事捜査を含め、記者会見の冒頭では政治的背景に関する質問も出ましたが、議長はその大半で回答を避けていました。また議長は、金利を巡るトランプ政権からの圧力に直接言及することは避けつつも、中央銀行の独立性について、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」とし、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」と述べました。さらに5月に議長の任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうか決めたのかとの質問には、「決めていない」と答え、判断する時期についても言及を避けていました。
今朝の日経新聞一面ではトップに「自民、単独過半数の勢い」との見出しで、2月8日の衆院選序盤の予想を伝えています。高市首相は「与党で過半数」を勝利の条件に挙げていましたが、調査結果通りだとすれば、高市氏自身への高い支持率が、そのまま自民党候補全体にも好影響を与えていることになります。このような報道を受け、今日の東京市場で「ミニ高市トレード」の再現があるのか、確認したいと思います。
本日のドル円は152円50銭~154円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
上値の重かったドル円は、ベッセント財務長官が「強いドル政策を支持する」と発言したことが伝わりドルが反発。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-01-29 10:30