株価の急落が国内株投資には大きなチャンスに、アセットマネジメントOneのファンドマネジャーの見方

アセットマネジメントOneは3月4日、メディア向けに「日本株勉強会」を開催した。米国とイスラエルによるイラン攻撃によって世界の市場が大きく動く中、国内株式市場の展望を中心に現在の市況にどのように対応するのかについて説明した。金利や為替といったグローバルマクロの状況や見通しについては債券運用部ファンドマネジャーである須賀田進成氏(写真:左)が、国内株式市場の見通しについては日本株ファンドマネジャーの関口智信氏(写真:右)が語った。
2月28日に始まったイラン攻撃は、3月4日の時点ではホルムズ海峡の実質的な封鎖や中東各国への戦火の拡大が伝えられ今後の展望が見通せるような状態ではなかったが、債券を運用する須賀田氏は、2月末で低下していた金利が戦争が始まった週明けに強烈な金利上昇となったことに注目していた。原油などエネルギー価格の上昇で「期待インフレ率が上がったことが金利上昇の背景の1つ」とし、また、「戦争が長期化しインフレも長引くとなると、グローバルで財政拡張期待が高まり、その結果として金利が上昇するという見方もできる」と語っていた。加えて、中東危機で「リスクオフ」の動きが強まり、株式、債券、金などのコモディティなどもかなりのボラティリティを伴う価格低下が起きており、その結果、金利が跳ね上がった部分もある。須賀田氏は「当面はボラティリティコントロールによるポジション調整等が落ち着くのを待つ局面」と語った。
また、現在のグローバルな経済環境について「主要国で過去に比べて高いインフレ、高い金利が継続している」と総括。ただ、この金利水準にあっても日本と米国は家計も企業部門も債務負担比率がほとんど変化しておらず、「金利の上下による影響を受けにくい状態にある」と分析した。
◆日本の名目GDP成長が加速する
須賀田氏は今後の日本経済の注目ポイントとして「日本の名目GDPの成長が加速する見通しにある。高市政権がめざす2040年頃に名目GDP1000兆円という目標も十分に達成可能」とした。ただし、名目成長は続いているものの実質成長は鈍く、「実質ベースの経済成長をいかに引き上げていくかということが高市政権の課題といえ、戦略17分野に対する具体的な投資計画、家計向けの支援策も含め、政策が真に日本の供給力や産業競争力拡充に寄与できるかが問われる」と語った。具体的には人手不足対応と老朽化した設備の更新投資などに関係した省力化、効率化の分野への投資が注目ポイントの一つとみていた。
また、今後の日銀の金融政策についても触れ、イランへの軍事行動によって「4月の利上げは見送るという判断に傾いているのではないか」としたうえで、インフレの落ち着きどころや賃上げの状況なども明らかになって経済環境を説明できる材料がそろう7月に利上げを実施する可能性があると語っていた。
◆年率平均8%~9%のEPS成長が株価を下支え
一方、「企業価値成長小型株ファンド(愛称:眼力)」や「厳選ジャパン」という好成績の日本株ファンドを担当するファンドマネージャーである関口氏は、「基本的に短期的に株価が大きく下落する局面は投資機会として考えている。過去数カ月は日本株が上がってきたために思い切って投資することが難しかったが、今回の下げでバリュエーション調整が起こり、良い会社を買うチャンスにもなっている」とした。イランでの戦争に加え、年度末を迎えて年金等機関投資家もリバランスを行うために売り買いが活発になる時期が重なってボラティリティが大きくなりがちとみていた。この下落を「買いの好機」と考える根拠は、国内株(TOPIX)のEPS成長率が年率平均8%~9%程度で成長を続けているため、「バリュエーションが変わらなければ、利益成長率の8%超で株価の上昇は期待できる」と考えているためだ。
そして、昨年来の国内株式市場の上昇によって大型株はバリュエーションが上がっているため、割安感のある中小型株により大きなチャンスが存在すると語っていた。また、現在のような株価急落の局面ではディフェンシブセクターは株価の反転・回復局面で上がらないため投資対象から外し、中長期で考えて成長が期待できる銘柄を選んで投資していくとした。その点では、これまでの株式市場のけん引役であった大型テクノロジー株式を主軸にしたトレンドは変わっていないという見方に立ち、株価が下落した魅力的な水準で投資していく考えだと語った。魅力的な投資のタイミングをはかるモノサシとしては、「配当利回りの水準」やチャート(株価推移)に読み取れる「センチメントの変化」、そして、マイナス材料に対して打ち出される政策などを注視しているとした。
アセットマネジメントOneは3月4日、メディア向けに「日本株勉強会」を開催した。(写真は、左が債券運用部ファンドマネジャーである須賀田進成氏、右は日本株ファンドマネジャーの関口智信氏)
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2026-03-06 11:15