【為替本日の注目点】イラン、停戦条件を拒否

 イランが米国の和平案を拒否したことで原油価格が再び上昇。ドル円は159円85銭まで買われる。その後、トランプ大統領が攻撃の延期を発表したことで159円35銭まで下落したが再び反発。ユーロドルは1.15台半ば近辺で小動き。イランとの戦争終結の可能性が後退し、株式市場では3指数が大幅に反落。ナスダックは2.3%を超えて下げ、S&P500は開戦後最大の下げに。債券も売られ、長期金利は4.42%台に急騰。金は大幅に反落。原油は再び大きく買われる。 米新規失業保険申請件数 → 21.0万件 ドル/円 159.35 ~ 159.85 ユーロ/ドル 1.1520 ~ 1.1559 ユーロ/円 183.97 ~ 184.31 NYダウ -469.38 → 45,960.11ドル GOLD -176.00 → 4,376.30ドル WTI +4.16 → 94.48ドル 米10年国債 +0.079 → 4.420% 【本日の注目イベント】 独 3月GFK消費者信頼調査 欧 ECB、ユーロ圏2月CPI予想 英 2月小売売上高 米 3月ミシガン大学消費者マインド(確定値) 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演 米 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁講演  米国が提示した15項目の停戦提案を、イランが事実上拒否したことで、戦争終結の可能性が後退。WTI原油価格は再び上昇し、これまでと同様、債券と株が売られ、米金利が上昇したことでドル円は159円85銭まで買われました。ただ、昨日は米長期金利が4.42%台まで大幅に上昇しましたが、今回も160円テストには至っていません。「介入警戒感」が依然としてドルの上値を抑えています。経済協力開発機構(OECD)は26日に公表した最新見通しで、主要経済国のインフレ予測を大幅に引き上げ、主要20カ国・地域(G20)の今年の平均インフレ率は「4%」になるとしました。昨年12月時点の「2.8%」から大幅な上方修正となり、米国のインフレ率も今年は「4.2%」と見込んでおり、12月の予測から1.2ポイント上方修正しています。この見通しが、FRBの金融政策決定に影響を与える可能性は十分ありそうです。  トランプ大統領は26日、米国が示した戦争終結に向けた計画案をイランが退けたことを受け、軍事行動を一段と強化する可能性を示唆しました。その後、イランと外交的な合意に至るかは確信を持てないとも述べ、約1カ月に及ぶ戦争の終結を巡り、米国とイランの溝は埋まっていません。トランプ氏は「イランは手遅れになる前に、早急に真剣に取り組むべきだ。一度起きてしまえば後戻りはできず、事態は悲惨なものになるだろう!」と、自身のSNSに投稿。「彼らはわたしたちに合意を『懇願』している。軍事的に壊滅し、巻き返しの可能性がゼロである以上、そうすべきだが、それでも彼らは公には『こちらの提案を検討しているだけ』と述べている。間違いだ!!!」と続け、自身のいらだちも表しています。イラン国営タスニム通信は、米国が提示した15項目の停戦提案に対し、イランは仲介者を通じて25日夜から26日朝にかけて回答したと報じました。タスニム通信によれば、戦争終結に向けてイランは一連の条件を提示しています。イラン側の主張は、「敵による攻撃と暗殺の停止を要求する」、「戦争が繰り返されないことを保証する具体的な条件提示を要請」、「補償および戦争賠償が保証されなければならない」、「戦争終結は、地域全体のすべての戦線および紛争に関与するすべての抵抗勢力を対象に実施されなければならない」、「ホルムズ海峡に対する主権の行使は、現在も将来もイランの当然かつ合法的な権利であること」、「米国が交渉を求めているという主張は、単なる3度目のまやかしに過ぎない」(ブルームバーグより)との内容です。トランプ氏はホワイトハウスでの閣議では、イランは「ひどい戦い方をするが、交渉は非常にうまく、合意を懇願している」と述べたうえで、「それを実現できるかは分からない。われわれがそれに前向きかどうかも分からない」と、自身の胸の内も吐露しています。  一方で、トランプ氏は午後の投稿で、イランのエネルギー施設への攻撃停止措置を米東部時間4月6日午後8時まで延期するとしています。25日には「5日間の猶予を与える」と発言していたものが、今度は「4月6日まで延期」と、またまた自身の発言を変えています。出来れば攻撃はしたくはないし、停戦を望んでいるトランプ氏の心情を、イラン側は見透かしているようです。戦争の早期終結への楽観的な見方が後退し、原油価格は上げ幅を拡大。WTI原油価格は94ドル台半ばまで上昇し、北海ブレントも一時5%余り上昇しました。また、トランプ氏がイランから受け取ったと話していた「贈り物」については、石油タンカー10隻のホルムズ海峡航行を許可したことだったと明らかにしました。ブルームバーグは、「トランプ氏は自身の計画を発表していないが、事情に詳しい関係者によると、米国防総省はここ数日に海兵遠征部隊2個部隊の中東への派遣を命じた。約5000人規模の部隊に加え、航空機や水陸両用車両を含む編成だ。また別の関係者によると、トランプ氏は陸軍第82空挺師団から兵士1000人超を中東に派遣するよう命じた」と、伝えています。戦闘は26日も続いており、イスラエル軍はイラン中部イスファハンで一連の攻撃を完了。一方、イラン国営テレビは、同国がイスラエルに対する新たなミサイル攻撃を開始したと伝えています。また、迎撃されたミサイルの破片がアブダビに落下し、2人が死亡しています。  引き続き米国とイランとの停戦に向けた「駆け引き」が続いています。今の所、米国による決定的な大規模攻撃は回避されていますが、その間、イスラエルはイランへの攻撃の手を緩めていません。ネタニヤフ氏はこれまでガザ地区をはじめ、何人の人を殺害したのでしょうか。人が、他の人を一人でも殺せば、最悪の場合死刑になりますが、戦争という名のもと、何千人も殺そうが死刑にはならないどころか、時には「英雄視」されることもあります。それが「戦争」です。イラン戦争は、間もなく4週間を経過します。  本日のドル円は158円50銭~160円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
イランが米国の和平案を拒否したことで原油価格が再び上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-03-27 10:30