ネットスターズ、黒字化達成から本格的な成長へ

 ネットスターズ <5590> が2025年12月期に初の黒字化を達成し、26年12月期以降の高成長期待も大きい。同社はQRコード決済をはじめとするキャッシュレス決済サービスを店舗に一括で導入・運用管理するマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」の提供を手掛ける。キャッシュレス決済の普及加速から「StarPay」のGPV(決済取扱高)は拡大が続いており、それが同社の成長をけん引している。法定通貨などの価値と連動し、決済や送金への利用を目的としたデジタル資産「ステーブルコイン」の決済について、羽田空港内でサービス実証を行った点でも注目だ。  25年12月期の連結業績は売上高47億8800万円(前々期比22.7%増)、営業損益2億9300万円の黒字(前々年同期は8400万円の赤字)だった。従来の営業損益予想は2億3300万円の黒字で、黒字幅が計画を大きく上回って着地した。引き続き「StarPay」の決済が伸び、GPVは前々期比33.2%増の2.1兆円となり、過去最高を更新した。加盟店増のほか、既存加盟店における決済利用も増え、GPVが急拡大し、それが売上増から黒字幅拡大につながった。国内キャッシュレス市場の規模拡大、新規加盟店獲得の効果が大きく、懸念された中国インバウンド(訪日外国人観光客)減少の影響は限定的だった。AI(人工知能)の活用を推進したことで、コスト面も大きく改善している。  「StarPay」は内外50以上ものQRコードやクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応できる点が強み。それに加えて、世界最先端技術であるクラウドネイティブインフラやコンテナ技術を採用し、高い安定性、低コストを実現しており、圧倒的な競争力がある。スーパー、ホームセンター、デパートのほか、空港施設などにも多くの加盟店がある。特に新業態の開拓を進めており、前期はガソリンスタンドに続いて、大手生命保険会社の一角である明治安田が「StarPay」を導入した。  加盟店の増加、既存加盟店の利用拡大から、前期の黒字化達成に続いて、今後は黒字幅の拡大が期待される。今期も複数の新規大型加盟店の獲得を想定しており、一時的にコストが増加しても、将来的に売上高およびGPVの増加に貢献することになろう。コスト構造の改善も進み、販管費の増加率は基本方針としている10%増以下になる見込み。通期業績は売上高57億6000万円(前期比20.3%増)、営業利益5億円(同70.8%増)の見通しだ。国内のキャッシュレス決済比率は24年が51.7%で、国策として30年65%、将来的には80%を目指す方針とされ、キャッシュレス決済市場がさらに拡大していく公算は大きい。それを背景に、同社業績の成長は今期以降も続きそうだ。  リスクとしては、景気の停滞、加盟店数の伸び悩み、解約率の向上などが挙げられる。同社のコーポレート・コミュニケーション室IRグループの阿久津靖子氏は「前任業者との更新時期をきっかけに『StarPay』へ切り替えるケースも多い。今後も決済ブランド事業者や地方金融機関など多くのパートナーとの協業で新規加盟店の開拓を進めるとともに、解約率の低水準維持に注力していく」と話す。  さらに、同社は「StarPay」のほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)のソリューションも展開中。同ソリューションではネイティブアプリのほか、ミニアプリも活用し、セルフレジ、会員登録、モバイルオーダー、テーブルオーダー、クーポン発行、プロモーションなど、さまざまな店舗課題を解決するDXサービスを提供している。それらサービスを導入するに当たり、端末代や開発費などのコストが掛かるものの、決済手数料の収益をより一層向上させる施策を柔軟に実施し、将来のGPV拡大を推進していく予定。同サービスの導入により「StarPay」の解約回避につながる面もあるようだ。 <ステーブルコイン決済のサービス実証開始>  一方、ステーブルコインの決済について、羽田空港内第3ターミナルの一部店舗において、1月26日-2月末まで日本を訪れるインバウンド向けにサービス実証を行った。今回、同社が扱うのは米ドル建てステーブルコイン「USDC」。ステーブルコインは海外で利用が進んでおり、同社はその支払いに対応することで、新たな決済手段の有効性の検証を行う。  これについて、同社の安達源取締役CFO(最高財務責任者)は「支払い方法の多様化は当社にとって大きなビジネスチャンス。いち早く事業を展開し、シェア獲得を目指す。今回、ユーザーと店舗の双方が手軽にステーブルコインを利用できるよう、既存システムを大きく変更する必要がないような、Web3.0というより、いわばWeb2.5のサービス構築を図っている。当社の試みがステーブルコインの社会実装に向けた大きな一歩になろう」と話した。
 ネットスターズ <5590> が2025年12月期に初の黒字化を達成し、26年12月期以降の高成長期待も大きい。同社はQRコード決済をはじめとするキャッシュレス決済サービスを店舗に一括で導入・運用管理するマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」の提供を手掛ける。キャッシュレス決済の普及加速から「StarPay」のGPV(決済取扱高)は拡大が続いており、それが同社の成長をけん引している。法定通貨などの価値と連動し、決済や送金への利用を目的としたデジタル資産「ステーブルコイン」の決済について、羽田空港内でサービス実証を行った点でも注目だ。
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2026-03-30 14:00