【為替本日の注目点】イスラエル、レバノンとの停戦合意

 東京市場では上値の重かったドル円は反発。良好な経済指標と米金利高が材料となり159円31銭までドル高に。ユーロドルは小幅に反落。株式市場では、イスラエルとレバノンの停戦が伝えられ3指数が買われる。ナスダックはこの日も小幅高となり、12連騰。リスクオンが進み、債券は続落。長期金利は4.31%台に上昇。金は続落し、原油は3ドルを超える上昇。 4月フィラデルフィア連銀景況指数 → 26.7 3月鉱工業生産 → -0.5% 3月設備稼働率 → 75.7% 新規失業保険申請件数 → 20.7万件 ドル/円 158.94 ~ 159.31 ユーロ/ドル 1.1767 ~ 1.1787  ユーロ/円 187.29 ~ 187.57 NYダウ +115.00 → 48,578.72ドル GOLD -15.30 → 4,808.30ドル WTI +3.40 → 94.69ドル 米10年国債 +0.028 → 4.311% 【本日の注目イベント】 欧 ユーロ圏2月貿易収支 欧 ユーロ圏2月経常収支 米 決算発表→ ステート・ストリート 加 カナダ3月住宅着工件数  トランプ大統領は、イスラエルとレバノンが10日間の停戦に合意したと発表しました。また、イスラエルのネタニヤフ首相も、停戦に同意したと動画メッセージで確認。レバノンとの「歴史的な和平合意」に向けた協議を前進させる狙いだと語っていました。  トランプ氏は自身のSNSで、イスラエルとレバノンの停戦を発表。ニューヨーク時間午後5時(日本時間17日午前6時)から戦闘が停止されるとし、「永続的な和平の実現に向け、イスラエル、レバノンと連携して取り組むよう」バンス副大統領とルビオ国務長官、ケイン統合参謀本部議長に指示したと説明し、レバノンのアウン大統領、およびイスラエルのネタニヤフ首相と協議した上で停戦を発表したとしています。またその後の投稿では、両首脳をホワイトハウスに招いて協議を行う意向も示しました。これらを踏まえてトランプ氏はイランとの停戦協議にも楽観的な見方を示しています。トランプ氏はホワイトハウスで、「イランと合意に至る見通しは非常に良好で、良い合意になるだろう」と発言。米・イラン協議は今週末にも再開する可能性があると述べました。イランがこれまで抵抗してきた核兵器開発の放棄や核物質引き渡しなどの条件に合意し、ホルムズ海峡の開放なども含まれると述べましたが、ただその裏付けは示していません。トランプ氏はまた、「合意に達するために停戦期間を2週間延長する必要はない」とし、「かなり早期に解決できる」と予想。必要であれば延長する用意があるとも述べ、「彼らはほぼ全ての点に同意している」とし、「あとは署名するために席に着くだけだ」と、極めて楽観的な言い回しで説明していました。今度は、物別れはないのでしょうか?  やや唐突でしたが、これらの動きを受け市場では「リスク選好」の流れが強まり、株式が買われ債券が売られました。米金利が上昇したことで、昨日の東京市場では158円台前半まで売られたドル円が再び159円台前半まで反発しています。原油高と介入警戒感との板挟みの展開が続いており、値幅も限定的で、明確な方向感も出ていない状況です。もっとも、昨日のNYでは経済指標が上振れし、中東情勢の緊張が緩和した割には原油が3ドル以上も上昇していることが、円売りにつながった面もあります。トランプ大統領はイラン戦争の早期停戦に対して楽観的ですが、ペルシャ湾岸のアラブ諸国および欧州の一部指導者は、米国とイランの和平合意の成立には約6カ月を要するとの認識を示しており、慎重な姿勢を崩していないことが原油高につながったと見られます。「米国とイスラエルによるイラン攻撃開始から約7週間が経とうとする中、ペルシャ湾と世界市場を結ぶホルムズ海峡では、船舶の動きがほぼ麻痺した状態が続いている。米国はイランの船舶の通航を遮断するための海上封鎖を行い、イランも大半の他国船舶の通航を妨げている」といった報道もあります。  そんな中、今朝の報道ではホルムズ海峡を巡って中国が動き出しました。中国政府は15日、イランにホルムズ海峡の通航を正常化するよう要請しました。中国の王毅外相は、イランのアラグチ外相と電話会談で、「ホルムズ海峡沿岸国としての主権や安全、合法的な権益は尊重されるべきだ」と述べ、その上で、「同時に、国際航路である同海峡の航行の自由と安全も保障されるべきだ。海峡の航行の回復に努めることは、国際社会の一致した声だ」と述べました。イランは言うまでもなく、中国の友好国です。米国との戦争では中国の衛星網を使っているとの専門家の見方もあります。その中国がイランに対してホルムズ海峡の解放を迫ったことになります。イランとしては、これまでのように「ノー」とは言えないはずです。また中国としても、石油の70%を輸入に頼っており、その半分が同海峡を通過していることを考えれば、「自国の利益のためにも」解放を迫る必要があります。日経新聞は、「中国が友好国のイランに対して公に圧力をかけるのは、米国とイスラエルによるイラン攻撃後、初めてだ」と報じていました。  中東情勢に目を奪われている一方、ロシアは今年最大級の攻撃をウクライナに対して仕掛け、少なくとも15人が死亡、数十人が負傷したとのことです。夜間にミサイルやドローンがキーウなどウクライナの主要都市を襲いました。ウクライナ防空当局によると、ロシアは弾道ミサイルと巡航ミサイルを合わせて40発以上、さまざまな種類の650機を超える無人機を発射。キーウのほか、オデーサ、ハルキウ、ザポリージャで被害が出たようです。米国とイスラエルのイランへの攻撃で「原油高による石油代金の増加」と「ロシアのウクライナ攻撃から世界の目を遠ざける」さらには、「米国からウクライナへの武器の供与の停止」といった「漁夫の利」を得たプーチン氏は、この時とばかり攻撃を強化している模様です。すでに4年以上を経過しているこの戦争からも目を離してはいけないのです。ウクライナのシビハ外相は、「対ロシア制裁やウクライナ支援を遅らせることが不道徳で逆効果、かつ危険であることを今回の攻撃は示している」と指摘。「重要な決定についてこれ以上何もしない日が1日でも続けば、誤ったシグナルを送ることになり、侵略者に戦争の継続と長期化、拡大を促すことになる」とSNSに投稿していました。中東から欧州にかけて、3つの戦争が同時に進行したことは、第二次世界大戦終了後初めてのことと思います。  本日のドル円は158円20銭~159円70銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
東京市場では上値の重かったドル円は反発。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-04-17 10:45