【為替本日の注目点】WTI原油価格107ドルに迫る

160円手前では介入警戒感が強く、円の下落を抑えていたドル円だったが、原油価格の一段の上昇と、米金利高に160円台に乗せる。一時は、2024年7月以来となる160円48銭まで円安が進む。ユーロドルは前日とほぼ変わらず。ユーロ円が再び187円台半ばに。株式市場では3指数が揃って下落。ダウは5日続落。債券も売られ、長期金利は4.43%台に上昇。トランプ大統領がホルムズ海峡の閉鎖を続けると述べたことで原油価格は急上昇。WTI原油価格は107ドルに迫る。
2月住宅着工件数 → 135.6万件
3月住宅着工件数 → 150.2万件
2月建設許可件数 → 153.8万件
3月建設許可件数 → 137.2万件
3月耐久財受注 → 0.8%
ドル/円 159.82 ~ 160.48
ユーロ/ドル 1.1662 ~ 1.1717
ユーロ/円 186.98 ~ 187.41
NYダウ -280.12 → 48,861.81ドル
GOLD -46.90 → 4,561.50ドル
WTI +6.95 → 106.88ドル
米10年国債 +0.084 → 4.430%
【本日の注目イベント】
日 3月鉱工業生産
中 4月中国製造業PMI
中 4月中国サービス業PMI
中 4月RatingDog製造業PMI
独 独4月雇用統計
独 独1-3月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏3月失業率
欧 ECB政策金利発表
欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
英 BOE金融政策発表
英 BOE金融政策委員会(MPC)議事録
米 新規失業保険申請件数
米 3月個人所得
米 3月個人支出
米 3月PCEデフレータ(前月比)
米 3月PCEデフレータ(前年比)
米 3月PCEコアデフレータ(前月比)
米 3月PCEコアデフレータ(前年比)
米 1-3月GDP(速報値)
米 4月シカゴ購買部協会景気指数
米 3月景気先行指標総合指数
米 1-3月労働コスト
米 決算発表→ イーライリリー、キャタピラー、アップル。
160円手前の水準では「介入警戒感」が強く、これまで何度も押し返されていたドル円でしたが、昨日のNYではついに160円台に乗せ、160円48銭まで円が売られました。原油高、FOMCでの政策金利の据え置き、さらにはパウエル議長の議長退任後もFRB内に理事として留まることなど、「円売り材料」満載でした。市場が円を積極的に売るのもうなずけます。今日の東京では、通貨当局から、「これまで以上に厳しいけん制発言」があると思われます。従って、東京時間内では円の一段安は難しいかもしれませんが、それ以降の時間帯では分かりません。予想したように、主戦場は「GW期間中」ということになりそうです。
トランプ大統領はイランの核開発問題に対処する合意を引き出すまで、同国の港湾に対する海上封鎖を解除しない方針を改めて示しました。ニュースサイトのアクシオスによると、トランプ氏は29日の電話インタビューで「封鎖は爆撃よりも幾分効果的だ。イランは窒息しかけている。状況はさらに悪化するだろう。イランが核兵器を持つことは許されない」と語っています。まずはホルムズ海峡を再開し、核問題に関する協議を先送りするイラン側の提案については、「拒否した」と明らかにしました。ブルームバーグは、「米・イランの和平交渉を膠着させている主要な争点がホルムズ海峡の問題だ。イランは米国の海上封鎖が維持される限り、交渉再開や海峡の再開には応じない姿勢を崩していない。一方、トランプ氏は戦争終結に向けた和平合意にイランが同意するまで作戦を続けると主張している」と報じ、「トランプ氏は封鎖を維持する考えを示す一方、米軍司令官らはイランへの圧力を高めるため、短期間で一連の強力な攻撃を実施する計画を準備している」と、アクシオスは伝えています。イランが油井の操業停止を余儀なくされるまでにどの程度の貯蔵余力と時間が残っているかは不透明ですが、分析会社ケプラーは「あと12-22日」と推定しています。一方、イランが譲歩する兆しは全く見えていません。タスニム通信によると、ガリバフ国会議長は29日、トランプ氏が経済的圧力と国内の分断を通じてイランに降伏を迫ろうとしていると非難しています。世界的なエネルギー危機を引き起こしているホルムズ海峡を巡る対立はさらに長引く可能性があり、どちらが先に音をあげるのか、「消耗戦」の様相になっています。
トランプ氏の発言が伝わると、原油価格は上げ幅を拡大しました。北海ブレント原油先物は119ドル前後まで上昇し、WTIも107ドルに迫る水準で取引を終えています。原油価格の上昇は日本の石油輸入業者のドル需要を拡大させます。開戦前に67ドル前後だったWTI原油価格が109ドルだとすれば、単純計算で約63%ものドル需要が発生することになります。加えて、足元の円安です。輸入物価が高騰するのは必然ということになります。考えてみれば、昨年4月以降は「関税」の嵐が吹き荒れ、日本政府はその鎮火に奔走しましたが、今度は「ホルムズ海峡封鎖を震源とする原油高」に苦しめられています。その発端はいずれもトランプ大統領です。先の日米首脳会談の席の冒頭、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と、歯の浮くような甘言を述べトランプ氏を持ち上げたのは、我が国の高市首相でした。G7首脳のほぼ全てがトランプ氏に「NO」を突き付けている中、唯一日本だけが「YES」のメッセージを送っています。各界からは、日本の将来を不安視する声も高まっています。
FOMC会合では、予想通りFF金利の誘導目標のレンジを3.5-3.75%に据え置くことを決めました。今回の決定に反対票を投じたのは4名でした。予想通りミラン理事は、FF金利の誘導目標レンジを今会合で0.25ポイント引き下げるよう求めています。ただ他の3名、ハマック総裁とカシュカリ総裁、ローガン総裁はFF金利の誘導目標レンジ据え置きは支持したものの、声明文に盛り込まれた利下げ再開を示唆する文書に異議を唱えて支持しませんでした。声明では、「金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は今後の情報が経済見通しに与える意義を引き続き監視する。委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員会は労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する」としています。また、パウエル議長は会見で、「5月15日に議長としての任期が終了した後も、理事として職務を続ける。期間は未定だ」と述べていました。
本日のドル円は159円50銭~161円50銭程度を予想します。
もちろん、介入がない前提での予想レンジです。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
160円手前では介入警戒感が強く、円の下落を抑えていたドル円だったが(イメージ写真提供:123RF)
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2026-04-30 10:15