【為替本日の注目点】政府・日銀、再び介入か?

ドル円は昨日の昼過ぎ、介入と見られる動きに155円前後まで急落しましたが、その後の欧州、NYでは156円台で推移。ADP雇用者数が高水準で、介入警戒感はあるものの、ドル円は底堅い動きが続く。ユーロドルは1.17台半ばから後半で推移。株式市場では、原油価格が急落したことで3指数が大きく上昇。ナスダックとS&P500は連日で最高値を更新。債券は買われ、長期金利は4.34%台に低下。金は大幅に反発。原油は停戦期待から大きく下落。一時は90ドルを割り込み、88ドル台まで下げる場面も。
4月ADP雇用者数 → 109千人
ドル/円 156.05 ~ 156.51
ユーロ/ドル 1.1742 ~ 1.1770
ユーロ/円 183.41 ~ 183.90
NYダウ +612.34 → 49,910.59ドル
GOLD +125.80 → 4,694.30ドル
WTI -7.19 → 95.08ドル
米10年国債 -0.075 → 4.349%
【本日の注目イベント】
豪 3月貿易収支
日 日銀金融政策決定会合議事録(3月18日―19日分)
独 3月製造業新規受注
欧 ユーロ圏3月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 3月消費者信用残高
米 4月NY連銀インフレ期待
米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ハマック・クリーブランド連銀総裁イベントで発言
日本がゴールデンウィーク中、色々なことがありました。ドル円は昨日の昼過ぎに157円台後半から急落し、一時は155円近辺まで円高が進みました。恐らく政府・日銀による介入かと思われます。それ以前にも連休中には2度ほどそれらしい動きも見られました。GW前、片山財務相がご丁寧に、「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに、ということだけ申し上げておきます」と述べ、連休中の介入も辞さないことを示唆していたことを考えると、短時間で円高方向に振れた動きは、介入だった可能性が極めて高いと思われます。ただ、それでも昨日は155円台を割り込むこともなく156円台で推移しています。ホルムズ海峡の開放観測も強く、原油価格が急落し、株と債券、さらには金も買われ、これまでとは全く逆の動きが見られた割には、円の買い戻しは限定的でした。原油価格が大きく下げた昨日こそ、介入を徹底する絶好のタイミングではなかったかと思います。155円台がかなり強いサポートになっており、ここを抜けるようだと、ドルロングのストップもあると考えられ、短期的には円高方向に加速する可能性もあると見ています。
トランプ大統領は、ホルムズ海峡での船舶の航行を安全にするため、米軍による護衛を行う「プロジェクト・フリーダム」計画を実施すると発表しましたが、わずか1日で撤回しました。また得意の「TACO」かと、思いましたが、今回は「イランとの戦争終結に向けた交渉に、大きな進展があった」と述べ、その必要がないことを明らかにしています。ブルームバーグによると、米国が提示した1ページの覚書は、イランが受け入れれば、ホルムズ海峡の段階的な再開とイランの港に対する米国の封鎖解除につながる内容だと報じています。ただ、現時点では何も合意はなく、イランの核開発計画に関する詳細な交渉は、後の段階で行われる模様です。提案には、対イラン制裁の解除や同国のウラン濃縮計画の一時停止も盛り込まれています。より包括的な核合意に至らない場合には、すべての条件が撤回され得るとのことです。また関係者の話として、イランは今後2日以内に仲介役のパキスタンを通じて回答を送る見通しですが、準国営のイラン学生通信は、提案には「過度で非現実的な内容が含まれており、ここ数日でわが国当局により強く拒否されている」と報じています。両国の覚書については、米ニュースサイトのアクシオスは6日、「米国がイランとの戦争の終結に向け、合意に近づいているとみている」と報じていました。トランプ氏はこの日、「イランが合意内容を受け入れることを前提に、『壮絶な怒り』作戦は終了し、ホルムズ海峡の封鎖は終了する。合意しなければ爆撃を再開する」とSNSに投稿。また米紙ニューヨーク・ポストは、トランプ氏がイランとの対面協議の検討は「まだ時期尚早」だとするインタビューを報じていました。戦争終結に向けさらに近づいたように思え、市場は先取りしていますが、まだ予断は許さない状況だと言えます。
さらに中国が前面に出て来たことも状況を明るくしています。中国の王毅外相は6日、イランのアラグチ外相を北京に迎え、ホルムズ海峡の速やかな再開を求めました。中国側の公式声明によると、「海峡の正常かつ安全な航行の回復について、国際社会は共通した懸念を抱いている」と、王氏はアラグチ氏に対して表明。「中国は、関係各国が国際社会の強い要請に一日も早く応じることを期待している」と述べたとしています。イラン外相による中国訪問は、米国とイスラエルがイランを攻撃して以降で初めてのことです。アラグチ氏は、「イランは力を持って自衛し、いかなる悪に対しても対決する用意が完全にある一方で、同様に外交の分野においても真剣かつ一貫した姿勢を貫いている」と述べています。また、イラン側の声明によると、アラグチ氏は王氏に対し、米国との交渉状況を説明。「国連憲章の基本的な原則を米国とイスラエルが違反したと非難した点において、中国の原則的な姿勢」を称賛しました。王氏は停戦を求める中国の姿勢をあらためて示し、「戦闘の再開は望ましくなく、交渉の継続がとりわけ重要だ」と、述べていました。来週14-15日にはトランプ大統領が中国の習近平国家主席と会談する予定です。中国としてはこれに先立って、この戦争終結に一役買っていることをアピールする狙いもある模様です。
ベッセント財務長官は11日から3日間の日程で日本を訪れると、日経新聞の電子版が複数の日米外交筋による情報として、今朝報じました。ベッセント氏は高市首相と、片山財務相、日銀の植田総裁らとそれぞれ会談する方針だとしており、「投機的な円売りへの対処策も議題となる」と報じています。ドル円のこれまでの奇妙な動きが全て当局による介入だとすれば、4月30日以降3回実施したことになります。それでも156円台で推移していることを考えると、ここは、何らかの米国の協力が必要なのかもしれません。
本日のドル円は155円~157円程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は昨日の昼過ぎ、介入と見られる動きに155円前後まで急落(イメージ写真提供:123RF)
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2026-05-07 10:45