【為替本日の注目点】トランプ大統領、イランの回答受け入れられない

 ドル円は4月の雇用統計発表後やや下げたが、その後切り返す。値幅は限定的で、この日の高値は156円81銭。ユーロドルは引き続き1.17台半ば前後で推移。株式市場では4月の雇用統計を受け3指数が揃って上昇。ナスダックとS&P500はこの日も最高値を更新。債券は買われ、長期金利は4.35%台に低下。金は小幅に続伸。原油も小幅高。 4月失業率 → 4.3% 4月非農業部門雇用者数 → 11.5万人 4月平均時給 (前月比) → 0.2% 4月平均時給 (前年比) → 3.6% 4月労働参加率 → 61.8% 5月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 48.2 ドル/円 156.44 ~ 156.81 ユーロ/ドル 1.1758 ~ 1.1787 ユーロ/円 184.27 ~ 184.69 NYダウ +12.19 → 49,609.16ドル GOLD +19.80 → 4,731.70ドル WTI +0.61 → 95.42ドル 米10年国債 -0.032 → 4.354% 【本日の注目イベント】 中 中国4月消費者物価指数 中 中国4月生産者物価指数 米 4月中古住宅販売件数  イランが紛争の終結に向けた米国の提案に対する回答を提出しました。これに対してトランプ大統領は「全く受け入れられない」との見解を示しています。トランプ氏は自身のSNSへの投稿で、「私はイランのいわゆる『代表団』からの回答を読んだばかりだ。気に入らない」と述べました。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じたところによると、「イランは高濃縮ウランの備蓄の一部を第三国に移送することを提案したが、核施設の解体は拒否した」としましたが、イランはこの報道内容を否定したと、同国の半国営タスニム通信は伝えていました。ブルームバーグは、「不安定な停戦を脅かす事案が続く中、和平提案に関する両国の最新のやり取りがホルムズ海峡再開への道筋となるかどうかは不透明だった」と論じていました。トランプ氏がイランからの回答を拒否したとの報道を受け、ホルムズ海峡の開放期待が後退し、ドル円は156円60銭台後半から20銭程買われ、WTI原油先物価格は2ドル50セント以上上昇しています。トランプ氏は、イランがホルムズ海峡の通航を認め、米政府が今後1カ月以内にイラン港湾への封鎖を解除し、その後に核協議を行うことを提案していました。  トランプ大統領は今週中国を訪問し、習近平主席との首脳会談で中国の対イランを巡り圧力をかける見通しだと、複数の米政府高官が8日に明らかにしました。米中間の貿易問題やイラン戦争といった課題を抱えるなか、会談は14-15日に北京で行われる予定となっています。米高官の1人は、中国からイランへの資金流入や、中国からの武器輸出の可能性も議題に含まれると述べ、ディールメーカーを自認するトランプ氏は、中国による米国製品の購入計画についても発表したい意向とみられます。ホワイトハウスのケリー報道官は、「トランプ大統領はこの1年行ってきたことを引き続き進める。すなわち、中国との関係の再調整を進め、相互主義と公正を重視することで、米国の経済的自立の回復を目指す」と記者団に述べていました。また、台湾問題も議題に上る見通しですが、米国の台湾政策に大きな変更は見込んでいないとのことです。気になるのは、米中首脳会談を経てもホルムズ海峡開放のメドが立たないようだと、これまでにもトランプ氏が再三警告してきたように、イランに対して大規模な攻撃を行う可能性が高まるという点です。イスラエルのネタニヤフ首相も戦争は「終わっていない」と警告しています。同氏は10日に放映された米CBSのインタビューで、イランの核開発能力の解体と高濃縮ウラン備蓄除去に向け、対応はなお必要だと述べていました。  4月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比11万5000人増加し、市場予想の6万5000人を大きく上回りました。3月分も18万5000人増(速報値は17万8000人増)に上方修正されています。また失業率は4.3%で、こちらは市場予想通りでした。イラン戦争に伴いエネルギーコストが上昇している中でも、労働市場の底堅さが示された格好でしたが、「統計は良好だが、素晴らしいというほどではない。賃金や労働参加率を考慮すると強弱が混在している」という声も多く、「利下げの可能性を高めるほどの数字ではない」という受け止め方が大勢でした。同時に発表されている、正社員に就けずに、やむなくパートとして働いている人も含めた「広義の失業率」は「8.2%」と、2ヵ月連続で上昇していました。正社員に就けなくても、高騰するガソリン価格を支払うのに、ひとまずパートでしのいでいる姿も浮かび上がってきます。  ベッセント財務長官は11日に米国を出発し、12日に高市首相および片山財務相と都内で会談すると明らかにしました。足元では円安が進んで、それに対応するため市場介入を行っている財務省ですが、この会談で米国として何らかの協調姿勢を見せるのか、今週は相場が大きく動く可能性があります。また、植田日銀総裁との会談も予定されています。本日のドル円は156円~157円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は4月の雇用統計発表後やや下げたが、その後切り返す。(イメージ写真提供:123RF)
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2026-05-11 10:30