【中証視点】資金争奪戦で苦しい立場に立たされる中国の大手銀行

某大手国有銀行のマネージャーである張玉氏は、深刻化する販売圧力に直面している。これは自行の金融商品の期待収益率が低いためではなく、他行の収益率の方が高いためだ。張氏は事実上、金融商品の価格競争に巻き込まれている。この競争の中には、都市銀行、株式制商業銀行、大手国有銀行が含まれる。各行の主な目的は、預金の確保だ。張氏は微信(WeChat、インスタントメッセンジャーの一種)の友人グループに、「85日物、年間収益率は6.5%、5万元から、元本保証」という情報を送り、多くの顧客の注目を集めようとした。これまでと比べ、この新商品の収益率は非常に高くなっているが、張氏は依然として懸念を払拭できていない。「これも仕方がない、一部の中小銀行の収益率の方がもっと高いのだから」。27日付中国証券報が伝えた。
年末の銀行金融商品の価格戦争において、一部の株式制銀行の金融商品が注目を集めている。光大銀行の26日の金融商品リストのうち、人民元建て金融商品の期待年間収益率は最高で6.8%に、最低でも6.1%に達している。民生銀行が同日販売した金融商品のうち、期待年間収益率が6.0%を下回る商品は2種類のみ(5.7%と5.9%)で、その他の商品の大半は6.3%以上となった。興業銀行が北京で27日に発売した2種類の商品は、5万元を下限とする47日・74日物で、期待収益率は6.7%・6.8%に達する。興業銀行が数日前に発売した非元本保証型の商品は96日物で、年間収益率は7.6%に達し、各界からの注目を集めた。
コンサルティング会社の普益財富のデータによると、60行は先週に計308種の人民元建て債券、通貨型資産運用商品を発行した。期限は3―730日、期待年間収益率は2.50―7.00%とまちまちだ。これらの商品の平均期待収益率は5.58%に達したが、その前の週であれば5.39%と低かった。期待収益率の上昇に伴い、商品が飛ぶように売れている。光大銀行の某営業マネージャーは中国証券報の記者に対して、「期待収益率が6.8%の商品は、数分間で完売した」と語った。
中央財経大学銀行業研究センター主任の郭田勇氏は、「これは最近の、金融市場の資金コストの高騰と直接関連している。中国国内の金融市場において、銀行間の資金融通にせよ先物現物取引(信用債・国債を含む)にせよ、市場取引の際に金利がある程度上昇しており、社会全体の資金コストを押し上げている」と分析した。
先週の銀行間金融市場の金利は、資金不足に陥った6月以来の高水準となり、短期流動性の重要指標である7日物レポ金利が10%弱に達した。12月20日現在、銀行間資金融通市場の7日物の加重平均金利は7.7474%に、1カ月物も8.0974%に高騰した。郭氏は、「商業銀行も現実的な問題に直面している。特に年末の重要な時期に、銀行は預金規模に関する現実的な圧力に直面している。例年と比べ、商業銀行は預金確保のより深刻な圧力を受けている」と指摘した。
中央銀行のデータによると、10月に個人預金が8967億元減少した。業界関係者は、「預金減少の原因は、金融業界の同業者との競争と関連している」と指摘した。まず証券や信託などの預金以外の商品が増加し、個人預金の一部を吸収した。次にネット金融の発展により、さまざまなキャッシュ管理ツールが登場し、多くの銀行預金が流出している。そのため預金不足の銀行は金融商品に期待を寄せており、規模に限度のある市場で競争が激化している。これは張氏の、自行が金融商品の価格競争に加わった原因に関する、「これも仕方がない、中小銀行に強いられたのだ」という観点と一致している。某銀行の営業マネージャーは中国証券報の記者に対して、「競争により銀行の金融商品が多様化し、投資家により多くの選択肢をもたらす」と語った。(編集担当:陳建民)
某大手国有銀行のマネージャーである張玉氏は、深刻化する販売圧力に直面している。これは自行の金融商品の期待収益率が低いためではなく、他行の収益率の方が高いためだ。張氏は事実上、金融商品の価格競争に巻き込まれている。この競争の中には、都市銀行、株式制商業銀行、大手国有銀行が含まれる。各行の主な目的は、預金の確保だ。張氏は微信(WeChat、インスタントメッセンジャーの一種)の友人グループに、「85日物、年間収益率は6.5%、5万元から、元本保証」という情報を送り、多くの顧客の注目を集めようとした。これまでと比べ、この新商品の収益率は非常に高くなっているが、張氏は依然として懸念を払拭できていない。「これも仕方がない、一部の中小銀行の収益率の方がもっと高いのだから」。27日付中国証券報が伝えた。
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2013-12-27 17:45